2008-01-01から1年間の記事一覧

私の日本出版文化史

●印刷博物館の展示を拝見して、触発されるものが沢山あった。実は、私は昭和女子大学の国文・日文の学生対象に日本出版文化史の講座を開設していた。日本の出版文化の歴史のテキストは適当なものが無かった。文化史や出版史や印刷史はあったが、私の望むよう…

印刷博物館・ミリオンセラー誕生へ!

●今日は、教え子の飯沼さんに誘われて、大曲のトッパンビルの印刷博物館を見学に行った。トッパンの山田さんにも前々から知らされていて、行きたいと思っていたところだった。11時に待ち合わせたが、何と彼女は和服姿であった。長年、茶道をやり、和服が日…

読者以上の 〔読者〕

●昨年11月、文春新書から出した拙著『旗本夫人が見た江戸のたそがれ』に対して、今年3月、半田市立図書館から、朗読者による録音テープへの変換許可願が送られてきた。視聴覚障害者の利用のためである。私としては大賛成であるが、一応、出版社の了承を得…

『ビブリア』 木村三四吾先生追悼

●天理図書館から『ビブリア』130号(平成20年10月)が届いた。この号は、本年4月に92歳で御他界なされた、木村三四吾先生を偲ぶ号となった。巻頭に、諸井慶一郎・天理図書館館長をはじめ、生前の木村先生と親交のあった方々の追悼の文が掲載されて…

みんな、力を合わせて 美化清掃

●このところ、朝晩、玄関から外へ出る度に桜の落ち葉が気になり、新しく購入した、箒と塵取りで掃く。結構、楽しく清掃が出来る。それで、少し綺麗にしすぎるかナ、と思わないわけでもないが、家の前の道は、いつも綺麗である。落ち葉掃きが身に付いたらしい…

学術雑誌 と 郵送料

●今日の朝日新聞の報道によると、大手広告会社「博報堂」が低料第三種郵便の悪用で1100万通のDM広告を受注していたという。低料第三種は心身障害者団体の発行する刊行物に適用されるもので、封書の郵送料1通80円がこの制度を適用すると8円になり、…

ウェブ日記 の 整理

●私はウェブ日記を平成11年(1999)から書き始めている。現在ハヤリのブログではなく、ウェブ上の日記である。生来、批判精神の旺盛な人間ゆえ、公序良俗にモトルような内容を、ついつい書き込み、チェックされてストップされた事も2度、3度。私の書…

『浮世草子研究資料叢書』 刊行 !!!

●倉員正江氏と佐伯孝弘氏の編集・解説による『浮世草子研究資料叢書』全7巻、A5判・総4654頁、揃定価95000円+税、がクレス出版から刊行される。待望の書である。●第1巻〜第4巻は作品の影印を収録。怪異物・奇談物・好色物・古典やつし物・時…

今日の話題、朝日新聞から

●今日の朝日新聞には、私の目を引く3つの記事があった。1つ目は、12面の「私の視点」の尾崎孝雄氏の「年金偽装、私が告発した理由」である。尾崎氏は滋賀県出身の元社会保険事務所職員である。現在、社会問題になっている年金問題の具体的な証言である。…

緑を大切にしよう

●地球温暖化現象が問題となり、南極の氷も年々少なくなっていると報じられ、地球上の人類も皆皆、心配である。上野の森の桜も、元禄の芭蕉の頃よりも開花が、年々早くなっている。 花の雲 鐘は上野か 浅草か 芭蕉●東京の都心では、大会社の屋上やビルの壁面…

坪内正紀作品展 in 梅が丘

●昨日は、久し振りに小田急線で梅が丘へ行った。目的は寿司の美登利本店ではなく、その先の「クラブツーリズムカフェ梅が丘店」である。気になっていた「坪内正紀作品展 游2」を観るためである。美登利新館を通り過ぎてすぐであった。明るく良い喫茶店であ…

ポックリ と 逝く

●『達者で ポックリ。』「最期まで元気に楽しく生きるためには・・・」東洋経済新報社から発行された本の書名とキャッチコピーである。かねがね、私が考えている、老後の生き方そっくりなので、驚いた。しかも「目にやさしい大きな活字」と添えられている。…

仮名草子作品に描かれた 元吉原

●「見しは今、江戸繁昌ゆへ、日本国の人あつまり、家つくりなすによって、三里四方は野も山も家をつくり、寸土のあきまなし。しかるに、東南の海ぎはに、よし原あり。色好みする京田舎のものども、このよし原を見たて、傾城町を立てんと、この葦の刈りあと、…

『可笑記評判』 古書価 2000円

●本日、昭和45年12月25日、近世初期文芸研究会発行の『可笑記評判』を日本書房から2000円で購入した。特別安価でラッキーであった。古書価は発売している古書店の自由評価であるから価格はマチマチである。先日のアマゾンでは170000円で出て…

生涯学習

●八王子の石川美穂さんから嬉しい便りをもらった。彼女は出版社時代の同僚、というよりも職場的には少し先輩、年齢的には、はるかな後輩である。石川さんは、退職して結婚されたが、子育ても済んだ48歳から14年間、共立女子大学の科目等履修生として学ん…

塵取り

●毎年、毎年、この時期は、落葉に悩まされる。玄関先のソメイヨシノが13年目になり、幹も太く堂々としてきた。かなり離れて植えられていた、郵便ポストに接触すれすれになった。4月の花の時期と秋の落ち葉の時期は、掃除に悩まされる。妻に言わせれば、そ…

芸術作品の取り扱い

●ことが、秋成に及んだので、『春雨物語』の思い出を記す。昭和60年(1985)夏、私は秋成の晩年の傑作『春雨物語』の桜山文庫本の分析に取り組んでいた。8月・9月の約50日間、来る日も来る日も、文化5年(1808)本、西荘本と漆山本と桜山本、…

佐藤春夫著 『上田秋成』

●私は、卒論作成の過程で指導教授には殆どお会いしていなかったので、面接諮問の時、初めて大学院へ進むことを打診された。すでに函館ラサールが内定していたが、急遽、東京で就職することにした。腰掛のつもりゆえ、大衆小説を出している桃源社にお世話にな…

祖父・廣吉 の書

●鈴木重嶺の掛軸を購入して、書斎へ掛けて見たら、その隣に我が祖父・廣吉の軸も下がっていた。しかし、こちらは、実用的な書で、土地の相続に関する書類である。祖父は、今で言う、司法書士のような仕事をしていて、村中で重宝がられたようである。それは、…

鈴木重嶺の掛軸

●先日、菊池先生の紹介で、鈴木重嶺の掛軸を入手した。いろいろ貼り合せた重嶺の軸であるが、作品は和歌一首。 森鵑 ほととぎすあすもきかばやおひしげる 杜のこかげにをちかへりなく 八十五翁 重嶺 重嶺の85歳は、明治31年である。この年の11月に没し…

浅見 百 『句集 時の舟』

●今日、ポストに思いがけないプレゼントが届いた。浅見 百(あさみ もも)氏の『句集 時の舟』(平成20年9月20日、文学の森発行、B6判、202頁、2600円)である。表紙画:尾崎淳子、装丁:宿南勇。清水哲男氏の序、吉田美和子氏の解説がある。●…

SooK  → 101

●小学館の「雑誌の市場 SooK」が、昨日・9月末で終了した。私は、創刊直後から購入して楽しんでいたが、残念である。少し時期が早すぎたのであろう。ネット社会の過大評価は、アチコチにあり、これもその1つかと思っている。●10月1日、「小学館 101…

望月翠山甲骨文書法展 in 北京・栄宝斎

●今日は、新宿へ出て、小学校の友と会って、楽しいひと時をもった。幼友達は、実にいいものである。●帰宅したら、書家・望月翠山先生から達筆の封書が届いていた。先日、偶然、日本橋でお会いしたら、以前、中国で展覧会をしたと言うので、図録を欲しいと頼…

鹿島則文の墓

●昨日は、久し振りに鹿島神宮へ行った。桜山文庫所蔵の『桜山文庫目録 和書之部』の原本調査のためである。20数年前に、すでに調査済みであるが、今度公開するので、念のため再調査した。宮司の鹿島則良様にお会いして、様々の思い出話をする事ができた。●…

デスク・トップ 入れ替え

●原稿執筆専用のデスク・トップの調子がおかしくなったので、息子に頼んで入れ替えた。今度は、INSPIRON 530である。フロッピーも使えるものにした。私は、原稿の分量からみて、現状ではフロッピーを主体に使用するのが便利のようである。モニタ…

千の風になってSP 出色のドキュメンタリー・ドラマ

●昨夜、フジテレビのドキュメンタリー・ドラマ「戦場のなでしこ隊―特攻隊」を観た。出色の作品であった。終戦後63年、今年は、NHKも、実際に戦争に参加した兵士たちの証言をもとにしたドキュメンタリーを放送している。サイパン、ガダルカナル、沖縄、…

坪内正紀作品展 游  游Ⅱ

●坪内正紀先生から、思いがけない案内状を頂いた。先生は、これまで、油絵・クレバス画・版画などの展覧会を催してきたが、今回は〔Cutting paper Art〕展を開催するという。日本の伝統模様を色画用紙などにコピーしてカットしたものを組み合わせた色と線…

著作権の保護期間 50年→70年  

●現在、日本の著作権の保護期間は、著者が死亡後50年間である。それを、知的財産の保護などと、言い出して、死後70年間に延長しようという動きが、昨年から活発になった。保護期間が切れれば、著作権料を支払わず、自由に複製することが出来る。売れそう…

出合い の 不思議

●昭和40年(1965)、私は大学を出てすぐの頃であるが、鹿島神宮・大宮司家、第69代目の鹿島則幸氏に初めてお会いした。卒論で手がけた仮名草子の『可笑記』の原本を閲覧させてもらうためである。当時、鹿島氏は水戸の常磐神社の宮司であったので水戸…

長谷川卓 『北町奉行所捕物控 雨燕(あまつばめ)』

●長谷川卓の最新作『北町奉行所捕物控 雨燕(あまつばめ)』(時代小説文庫、619円+税、2008年9月18日、角川春樹事務所発行)が出た。私は長谷川卓のファンで、これまでの作品の大部分を読んでいる。長谷川卓は、80年に『昼と夜』で群像新人文…