生涯学習

●八王子の石川美穂さんから嬉しい便りをもらった。彼女は出版社時代の同僚、というよりも職場的には少し先輩、年齢的には、はるかな後輩である。石川さんは、退職して結婚されたが、子育ても済んだ48歳から14年間、共立女子大学の科目等履修生として学んだ。7年間文芸学部で学び所要単位を取得し、樋口一葉の『たけくらべ』で論文をまとめ、学位授与機構から「文学士」の学位を認定された。さらに、7年間、国際学部で学なび、14年間で35科目124単位を取得されたという。見上げた生き方である。

●私は、昭和女子大学短期大学部に専攻科を新設する時の学科長であり、苦労もしたが、石川さんのような向学心のある学生のためであった。昭和女子大でも、石川さん同様に、学位授与機構に論文を提出して認定され、さらに大学院まで進んだ学生がいた。学習とは、大学を卒業してからが重要である。このような人生に出合うと、嬉しくてたまらない。

●石川さんは、〔書〕の世界でも活躍されている。松本筑峯先生に師事して破体書の道に精進しておられる。私の友人の佐藤君の奥さんも破体書の世界で活躍していて、時々、展覧会を観せてもらっていたので懐かしい。松本筑峯先生の主宰される会は、昨年10月、アメリカのオハイオ州シンシナティで「日本破体書家展」を開催された。石川さんも出品者の一人だった。展覧会の図録を拝見して、書の世界のひろがりを感じる。過日は、甲骨文を素材に書の道を究めておられる、望月翠山先生の図録に出会い、今回、石川さんの破体書に出合った。人間関係の有難さを思う。

■「日本破体書家展」IN CINCINNATI



★「点滴石を穿つ」石川清玉 書