浅見 百 『句集 時の舟』

●今日、ポストに思いがけないプレゼントが届いた。浅見 百(あさみ もも)氏の『句集 時の舟』(平成20年9月20日、文学の森発行、B6判、202頁、2600円)である。表紙画:尾崎淳子、装丁:宿南勇。清水哲男氏の序、吉田美和子氏の解説がある。

●オビに、自選十句 がある。
炎天や遺跡ひそかに崩れゆく
蛍待つ誰もが小声になつてをり
鬼あざみ立ち枯れたるも鬼あざみ
雪積むや眠りに戻る即身仏
嫁ぐ日の鏡の中に冬薔薇
秋夜長額の写真のずれてをり
影一つ我にもありし後の月
春うらら上がる下がると京の街
子規堂の硯の乾く春の昼
春愁の片耳垂れし兎かな

●浅見 百氏(本名 浅見優子)は、芭蕉研究者・笠間愛子氏の教え子。厳しい指導の下で研鑽、『川越千句』などの注釈や創作を続けておられる。この度の句集、装丁が見事である。これから、ゆっくり鑑賞したい。

■浅見 百 『句集 時の舟』 の表紙

■詳細目次→http://www.ksskbg.com/geibun/geishin.html