『浮世草子研究資料叢書』 刊行 !!!

●倉員正江氏と佐伯孝弘氏の編集・解説による『浮世草子研究資料叢書』全7巻、A5判・総4654頁、揃定価95000円+税、がクレス出版から刊行される。待望の書である。

●第1巻〜第4巻は作品の影印を収録。怪異物・奇談物・好色物・古典やつし物・時事物・雑話物、など14作品を全冊写真複製で収録し、各作品に解説を付す。西鶴以後の浮世草子の中の重要な作品の全貌が、初めて公刊された。

●「研究史的には、西鶴以降の作者・作品は往々に「西鶴の亜流」として低い評価に終始してきた。」と編者が述べるように、従来の近世文学研究において、西鶴作品の研究は活発であったが、以後の浮世草子作品の研究は、十分ではなく、評価も低かった。しかし、研究史的に、このような状況が、何時までも許されるものではない。近時、『浮世草子研究 創刊準備号』(平成16年11月、笠間書院)の刊行をスタートに、『西鶴浮世草子研究』1号・2号が続いて出版された。そのような機運の中で、この叢書は実を結んだ。

●実は、私は、西鶴以前の仮名草子が専攻で、この仮名草子研究史的には、同様に、西鶴作品への準備的な過渡期の作品群と評価されてきた。私たちが『近世初期文芸』という雑誌を出して、この時代に焦点を絞ってきたのも、近世初期の仮名草子に、大きな意義を認めたからであり、その実体の解明を目標としたからである。

●そのような、近世文学の研究の歴史を思うとき、この度の『浮世草子研究資料叢書』の刊行は、意義深いものと思う。倉員・佐伯両氏の労作に感謝する。

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