ドナルド・キーン氏に感謝

●昨日の、朝日新聞の「フロントランナー」で、日本文学研究者のドナルド・キーン氏を採り上げている。キーン氏は、長年、コロンビア大学で日本文学を講義し、1年の半々をニューヨークと東京で生活してきたという。先日、官報に日本国籍取得が告示され、区役所の職員から、お祝いの花束を貰って笑顔で歩く写真が載っている。キーン氏が日本に帰化することを決めたのは、3.11の前だったという。しかし、世界地図の中の、小さな日本で発生した福島原発の事故、これは、世界から見たら、日本沈没に見えるだろう。その最中に、キーン氏は日本人になった。「ありがとうございます」と言わずにいられない。

●キーン氏は、1922年、ニューヨーク生まれ、89歳。意欲的な日本文学、日本文化に関する研究を続け、多くの著作を執筆しておられる。

「間もなく90歳になるが、探究心は衰えを知らない。蘭学者で発明の天才、平賀源内の評伝を構想中だ。「休んだらどうかと言われますが、学問は一生のものです」」(鈴木淑子氏)

●この生き方にも敬意を表する。これは、私の恩師、重友毅先生も、晩年、口にされ、実践しておられた生き方であもある。テレビのお茶の間番組に出て、タレントと並んで、自分の専門外のことにコメントして時間をつぶしている生き方とは、天と地の落差がある。

ドナルド・キーン氏  朝日新聞より

■キーン氏の国籍取得を祝う、我が家のさくら