6度目の 『百代の過客』

●今日、『ドナルド・キーン著作集』第2巻(2012年2月25日、新潮社発行)が届いた。内容は『百代の過客』である。私は、キーン氏のこの著作を6回読むことになる。

①昭和57年(1983)だったと思う。『井関隆子日記』を出版してくれた勉誠社の編集の山田さんから電話があり、朝日新聞社から『井関隆子日記』の注文があった、と伝えられた。ドナルド・キーン氏は、この日記を、昭和59年4月4日・5日・6日、朝日新聞の夕刊で3回にわたって紹介してくれた。「雅文用いて現実を直視」「迷信や奇蹟を徹底否定」「宣長褒め大塩には憎悪」の見出しが付けられた。この日記・全3巻は、4年かけて、昭和56年に完結していたが、日本の研究者は、ごく一部の方々しか認めてくれなかった。そんな中で、ドナルド・キーン氏が朝日新聞で3回にわたって採り上げて下さった事は、私にとっては、天にも昇るほどの感激だった。

②「朝日選書」上下2冊、259・260(1984年7月20日〜8月20日、朝日新聞社社発行)
③「朝日選書」600点突破記念フェア、上18刷、下16刷。

④特装本 発行(1984年12月10日、朝日新聞社発行)
この特装本の出版祝賀会には、私も出席して、著者をはじめ、日本の文壇の高名な方々のお話を伺った。

講談社学術文庫 2078(2011年10月12日、講談社発行)
⑥『ドナルド・キーン著作集』第2巻(2012年2月25日、新潮社発行)
⑦英文版
Travelers of a Hundred Ages: The Japanese as Revealed through 1000 Years of Diaries , New York:Henry Holt and Company,1989(468P.24㎝)

●特装版の出版祝賀会の折、キーン氏の教え子の方とお話しするチャンスがあった。彼女は、先生から、この日記の英訳本を出すように指示されていると言っていたが、『井関隆子日記』の英訳はまだ出ていないだろうと、思う。

●このように、ドナルド・キーン氏の著作が、多くの日本の読者に読まれることを、心から祝福する。また、キーン氏が、全く無名の井関隆子を大きく採り上げて下さった事に、改めて感謝申し上げる。

■①朝日新聞、夕刊、昭和59年4月4日

■②③「朝日選書」1984年7月20日〜8月20日、朝日新聞社社発行


■④特装本 発行(1984年12月10日、朝日新聞社発行)

■⑤講談社学術文庫 (2011年10月12日、講談社発行)

■⑥『ドナルド・キーン著作集』第2巻(2012年2月25日、新潮社発行)