『江戸連』 其の7

NPO江戸連から、機関誌『江戸連』其の7 が刊行された(2012年3月31日発行)。NPO法人江戸連10周年記念号で、収録内容は実に多彩。江戸の水路、江戸小説の特色、人情噺、江戸の坂道、江戸しぐさ、江戸の謡曲、江戸川柳・・・。設立から10年余を経て、多彩な人々によって、江戸連は充実し、発展している。

●私は、江戸文学と言っても、近世初期の専攻ゆえ、いわゆる「江戸」に明るいとはいえない。一般に江戸というと、元禄文化を通過して華ひらいた、豊かで爛熟した文化をさすことが多い。元禄→文化文政→幕末→維新・・・。単純な近世初期の文化は、豊かに彩色されて、実り多いものとなった。

●私は、研究に行き詰まった時は、江戸後期にたくさん書かれた、考証随筆を読んで学んだ。馬琴や京伝など、実に博覧強記、私など、とても、とても側には寄り付けない。しかし、文学が人間や、その文化を描いている以上、これを知らなくては、人情本も草双紙も理解は出来ない。雅俗という、面倒なことも関わってくる。俗を切り捨てては、これまた理解は出来ない。江戸の文化は、広くて深い。今回の『江戸連』其の7 を拝読して、その感を、さらに強くした。

★『江戸連』其の7 の詳細 → http://www.ksskbg.com/kanabun/news2.html

■『江戸連』其の7