谷脇理史先生のこと

●今日、『田夫物語』の校正をしていて、早稲田大学の資料影印叢書『仮名草子集』のことを思い出した。この本は、平成6年(1994)に発行されたが、谷脇理史先生の編集である。早稲田大学図書館所蔵の貴重な仮名草子作品を8点収録している。この中に『田夫物語』も収録された。
●この『仮名草子集』の月報に、私は「仮名草子の範囲と分類」という研究随想のような一文を寄せたが、これは、谷脇先生の依頼によるものである。谷脇先生とは、先生の『浮世物語』論を拝読してから、非常に惹かれるものがあり、以来、親しく交流させて頂いてきた。谷脇先生が西鶴研究の第一人者であることは、誰も異を唱えないだろう。
●私は、仮名草子関係の論文を書くと、必ず谷脇先生に差し上げて、目を通して頂いた。先生は、常に、真摯な姿勢で評価して下さった。また、先生も、論文を発表され、著書を出されると、必ず、お送り下さった。私は、先生の論文や著書を読んで、本当に、多くの事を教えて頂いた。
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谷脇 理史(たにわき まさちか、1939年11月24日 - 2009年8月28日)は、近世日本文学研究者、早稲田大学教授。

群馬県館林市生まれ。1961年早大国文科卒、1968年同大学院博士課程中退、跡見学園女子大学専任講師、のち助教授、1976年筑波大学助教授、のち教授、1983年「西鶴研究序説」で早大文学博士、1990年早大文学部教授。のち文学学術院教授。2009年、胆嚢癌により定年前に死去した。

西鶴など近世文芸を研究。

著書[編集]西鶴研究序説 新典社 1981.6
西鶴研究論攷 新典社 1981.10
元禄文化西鶴の世界 教育社歴史新書 1982.6
井原西鶴 浮世の認識者 新典社 1987.1(日本の作家)
笑いのこころ 古典の楽しみ 筑摩書房 1993.8
西鶴 研究と批評 若草書房 1995.5(近世文学研究叢書 1)
江戸のこころ 浮世と人と文学と 新典社 1998.6
近世文芸への視座 西鶴を軸として 新典社 1999.11
『好色一代女』の面白さ・可笑しさ 清文堂出版 2003.10(西鶴を楽しむ 1)
経済小説の原点『日本永代蔵』 清文堂出版 2004.3(西鶴を楽しむ 2)
創作した手紙『万の文反古』 清文堂出版 2004.7(西鶴を楽しむ 3)
『日本永代蔵』成立論談義 回想・批判・展望 清文堂出版 2006.4(西鶴を楽しむ 別巻1)
編著・共編著・校訂[編集]井原西鶴集 3 神保五彌、暉峻康隆と校注・訳 小学館 1972(日本古典文学全集)
年表資料近世文学史 松崎仁、白石悌三共編 笠間書院 1977.4
西鶴物語 自由奔放な西鶴文学の全貌 浅野晃共編 有斐閣ブックス 1978.12
新日本古典文学大系 77 武道伝来記・西鶴置土産・万の文反古・西鶴名残の友 井原西鶴 岩波書店 1989
井原西鶴(新潮古典文学アルバム) 吉行淳之介共著 新潮社 1991.5
西鶴を学ぶ人のために 西島孜哉共編 世界思想社 1993.6
西鶴必携 学灯社 1993.5
西鶴事典 江本裕共編 おうふう 1996.12
新編日本古典文学全集 64 仮名草子集 岡雅彦、井上和人と校注・訳 小学館 1999.9
西鶴のおもしろさ 名篇を読む 江本裕共著 勉誠出版・新書 2001.3
好色五人女 現代語訳付き 角川ソフィア文庫、2008
 
ウィキペディアWikipedia)』より
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●平成21年、2009年8月28日、先生は御他界なされた。69歳、早稲田大学の現職教授の時である。私は、館林市で行われた、先生の御葬儀に参列させて頂き、声をあげて別れを惜しむ、多くの学生や院生と共にお別れした。
■谷脇理史編『早稲田大学蔵 資料影印叢書 仮名草子集』

■同書に収録の『田夫物語』