『酒井伴四郎日記』

江戸東京博物館から『酒井伴四郎日記―影印と翻刻―』が発行された。同館調査報告書の第23集である。竹内誠氏・石山秀和氏の研究による労作。日記の原本は林英夫氏旧蔵、現在は江戸博所蔵。横半帳、38丁。記者は紀州藩士・酒井伴四郎。万延元年(1860)5月11日〜11月晦日の195日間の日記で、この間、1日も欠かさず記されている。

●全冊影印で掲出し、翻刻しているので、安心して使用できるテキストである。影印の状態を見て、この原本の翻刻は大変な作業であったと思われ、竹内・石山両氏の学恩に感謝する。本書には、両氏の詳細な解説と論考が収録されている。さらに、「久留米藩士 江戸勤番長屋絵巻」の写真が収録され、石山氏の「勤番武士の余暇と行楽―秋田藩貝塚清直の江戸日記を事例に―」とともに、江戸詰めの武士の生活を知る上で、貴重な一冊となっている。

■本書の詳細目次→http://www.ksskbg.com/sonota/shin.htm

■■『酒井伴四郎日記―影印と翻刻―』

■■『酒井伴四郎日記』原本の巻頭

■■『久留米藩士 江戸勤番長屋絵巻』序文