日展 書道の内実

●今日の朝日新聞は、日展書道「篆刻」の入選をめぐる内実を報道している。入選数を事前に、会派ごとに配分し、有力会派が独占していたという。
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 【沢伸也、田内康介】日本美術界で権威のある日展の「書」で、有力会派に入選数を事前に割り振る不正が行われたことが朝日新聞の調べで分かった。毎年1万人以上が応募する国内最大の公募美術展への信頼が揺らぐのは必至だ。
「天の声」で入選差し替え
「先生に手ぶらじゃ駄目」
 日展には日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5科がある。1万円を払えば誰でも応募でき、入選すれば展示される。今年度は11月1日から国立新美術館(東京・六本木)で開催される。1万3919点の応募があり、7割が書だ。
 書には漢字、かな、調和体、篆刻(てんこく)の4部門がある。朝日新聞は、石材などに文字を彫る「篆刻」の2009年度の審査を巡り、当時の篆刻担当の審査員が有力会派幹部に送った会派別入選数の配分表と、手紙を入手した。配分表には有力8会派ごとの応募数と入選数が直筆で記され、過去5年分の会派別の応募数と入選数の一覧も添えられていた。  【朝日新聞 より】
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日展は、日本美術界で権威のある展覧会で、毎年、話題になる。私も何回か観に行ったが、点数が多くて、およそ、芸術を鑑賞するというには程遠い催しである。油絵の画家の友人・浜田さんとは、長年の付き合いであるが、作品の審査の現実は誠に凄まじいもので、作品の完成度は、ある意味、そっちのけ、の感もある。
篆刻の世界も、同様で、私の敬愛する篆刻家・冨樫省艸氏も生涯を篆刻に取り組んでいたが、この社会も同様で、冨樫氏は団体からすぐ抜けたと言っておられた。芸術は、本来、美などの追求の場であろうが、そこに、地位や金銭がからみ、汚染されてゆく。
■ 朝日新聞 10月30日