篆刻の聖典 紛失

●今日の朝日新聞によると、世界に1冊しかない、篆刻聖典と言われている『西泠八家印存(せいれいはっかいんぞん)』全2巻が紛失したと言う。これは、中国の篆刻結社「西泠印社」の創設者の一人、丁仁が祖父から3代に亙って伝えられた印章を整理して編集したものだと言う。私は、その存在について、篆刻家の冨樫省艸氏から、チラと伺った記憶がある。
●この貴重な『西泠八家印存』は、丁仁の孫娘によって伝えられたという。この孫の丁如霞氏から、内藤富卿氏(全日本篆刻連盟副会長)が展覧会用に借りて使用中、ホテルのトイレに置き忘れてしまったという。その経緯に不振な点があるとして、丁如霞氏は内藤富卿氏に対して3000万円の損害賠償を求めているという。内藤氏は3000万の価値はないと言っているらしいが、この篆刻印影集は、そんな安価なものではないと、私は思う。篆刻連盟の副会長である身で、この貴重な書物の扱いが極めて杜撰と言われても仕方ないだろう。

★詳細は 朝日新聞 4月16日の本山秀樹氏の記事を参照

■『西泠八家印存』  朝日新聞デジタル より