2009-06-02から1日間の記事一覧

影印本・4

●また、長い研究生活の中には、こんな事もあった。鹿島神宮第66代大宮司・鹿島則孝には『桜斎随筆』という膨大な編著書がある。幕末維新に関する貴重な資料であった。それは、54巻60冊、3500丁という大部なものであった。私は、則孝自筆の貴重な資…

影印本・3

●古典の複製本出版で忘れられないのは、桜山文庫の『春雨物語』を出した時のことである。この桜山本『春雨物語』は、文化五年本で上田秋成が没する前年のものである。文化6年の最終稿本が自筆で伝わるが、欠落があり完全本ではない。完全本としては、文化五…

影印本・2

●私が大学生だった頃は複写機がなかった。古典などの原本は、書写か模写か、カメラ複写か、建築で使う青焼きなどの方法で収集していた。ゼロックスが日本橋のある会社に導入された時は、小躍りして駆けつけた。日比谷図書館の複写も陰画時代もあった。それが…