壮絶 岩田書院の出版活動

●今日、岩田書院から新刊案内が届いた。2014年1月〜5月刊行一覧には、30点の新刊が掲げられている。いずれも学術的価値の高い著書である。これを、岩田博氏が一人で進行しておられる「新刊ニュースの裏だより №893」は「DM経費を削減しなくては」である。
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今年2014年10月に出したDMの経費。地方史情報88万円、新刊ニュース12点35万円、注文ハガキ・郵便振替用紙・宛名上紙1回分8万円、発送手数料63万円、送料116万円。
 この時は、普段の1万3000通の他に、年に2回だけDMしてる4500通も入ってる。それに新刊ニュース下半期の集成版も作って29万円。これでいくらになった?。
 339万円!。おっと、我ながら、いまさらながら、びっくり!。これを年に5回やっていたわけか。こういうことをやってるから、いくら稼いでもお金がないわけなのね。
 まだ、年間新刊点数50点であれば維持できるが、これが半分になったら経費の回収ができない。DMの回数を減らすか、1回の発送数を減らすか、地方史情報のページ数と発行部数を減らすか、だろう。
 DMの回数を減らすのは、簡単。でも回数を減らすと、新刊が出てもなかなかDMが出ないことになる。1回の発送数を減らすのは、ちょっとむずかしい。DMが要る人だけ回答をもらって、返事のない人には、年1回、図書目録を送るだけにするか。
 地方史情報については、その年鑑版である『地方史文献年鑑』の発行ともかかわっているので、問題が多い。ページ数を減らすと情報量が減って、岩田書院に寄贈してくれた雑誌を紹介しきれなくなる。発行部数を減らすことについては、DM発送数を減らして、さらに地方史情報不要な人の分を減らせば、かなり減ると思う。将来的には、紙ベースの地方史情報をやめて、ウェブ上で、雑誌の目次をPDFで逐次UPしていくか。
 DMそのものも縮小して、メールで配信するようになるか。そのてん、日本文学の専門書を出している笠間書院が、一歩、先を行っていると思うが、メルマガの発行数は月に2回で、公開されている最新の数は 1,222部(2014.12.5現在)になっている。
 多いと見るか、少ないと見るか。
 *付記:紙版の「裏だより」に、DMの発送数を「13万通」と書いてしまった。上記のように「1万3000通」の間違いです。さすがの岩田書院も、そんなに出すわけがない。
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岩田書院には、私は『浅井了意全集』でお世話になっているが、このような出版活動の実状を伺うと、涙が出てくる。しかし、岩田書院の出版活動は、日本の近代出版史の上に、確実にその実績を刻むだろう。