自費出版

●今、朝日新聞の連載小説に、林真理子の『マイストーリー・私の物語』が掲載されている。私は、原則、新聞の連載小説は読まない。漱石の『心』も『三四郎』もほんの、たまに、部分に目を通すのみである。林真理子の作品は、自費出版がテーマだと言うので、たまに読んでいるが、1冊の本を自費出版するのに、なんだか、長々と続いている。
●今日届いた、『図書』の12月号に、高橋三千綱の「自費出版は復讐へのセレナーデ」が掲載されている。芥川賞作家の若い頃の苦しい創作状況が、めんめんと記されている。私も、この作家が登場した頃のエピソードを耳にしたことはあった。才能があるの、無いの、など、伝わってきていた。しかし、今度の文章を読むと、本当に創作への思いが伝わってくる。出版社の編集者も、厳しいところがある。『群像』編集長・大久保さんにも、いろいろ、お話を伺ったことがあるが、作家の登場するまでは、それこそ大変である。
●私にとって、林真理子の小説よりも、高橋三千綱の文章のほうが、魅力的に思えた。
■『図書』12月号