夏目漱石 『門』 原稿そろう

朝日新聞、デジタルで、漱石の名作『門』の直筆原稿がそろったと報じられた。素晴らしいことである。文学研究の第一資料である、作品それ自体が、作者の直筆原稿で揃うということは、研究者の最も望むことである。もちろん、本文批評の作業は経なければならないが、最も重視しなければならない、作者自身の自筆原稿は、研究のベースとなる。嬉しい。
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漱石の「門」の直筆751枚勢ぞろい 東京で公開
大室一也
2014年8月30日10時12分

保管が決まった「門」の原稿4枚(下)と大東急記念文庫所蔵の原稿(上)。これで全751枚がそろった=大室一也撮影
 散在していた夏目漱石(1867〜1916)の長編小説「門」の直筆原稿全751枚がそろい、東京都世田谷区の五島美術館で30日から公開される。所在不明だった4枚が加わった。
 「門」は「三四郎」「それから」とともに、漱石の前期3部作をなす小説。1910(明治43)年3月1日〜同年6月12日、東京朝日新聞大阪朝日新聞に104回連載された。
 直筆原稿は、日本や東洋の書物などを所蔵する大東急記念文庫(同区)が大半の747枚を58年から所蔵していた。連載第14回の8枚目と、第70回の5、6、7枚目の計4枚がなかったが、一昨年、所在がわかった。
 4枚の原稿は推敲(すいこう)のあとがよく分かり、全集や文庫本と比べると漢字や読点などに違いもあるなど、漱石研究上も注目されている。所有者の好意で五島美術館内の同文庫が全部をまとめて保管することになった。
 「漱石全集」編集の経緯をまとめた記録によると、「門」の直筆原稿は朝日新聞掲載後、漱石門下生で雑誌「中央公論」の編集者だった滝田樗陰(ちょいん)らの手を経て、遅くとも28年までにこの所有者の家に伝わったとされる。その後、所有者の家が原稿一式を手放した際、何らかの理由で4枚だけが残ったらしい。(大室一也)
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■『門』原稿
  朝日新聞 デジタル より

夏目漱石