歴史感覚を磨く

●今日の朝日新聞、夕刊に佐藤優氏の面白い話が掲載されていた。歴史における時間の概念に関してだった。
。。。。。。。。。。。。。。。
■出来事がもつ意味、考えよう 知識も大切、教科書を活用
 普段、我々が歴史と言っているのは「出来事」のことです。出来事をつなぎ合わせ、そこに意味づけしていくことを歴史と言っているのです。歴史のポイントとなる出来事を点と線でいくつか結びつけ、それをどんな物語につむいでいくのか、ということです。
 歴史は常に複数あります。例えば、1600年の関ケ原の合戦は、天下分け目の戦いとして日本の歴史としては重要ですが欧州史では何でもないことです。完全に客観的かつ中立的に重要な歴史というのはないのです。こうした歴史学の方法論を共有することがとても重要なことです。
 でなければ、一つの物語しか読めないことになり、一つの歴史しか存在しないことになります。それは歴史の座標軸を一人で勝手に決めてしまうことであり、国際的に通用しない物語を歴史として語っていることにもなります。
 では、現在進行中の出来事のどことどこをつなげて物語をつくるのか。鍵になるのはギリシャ語のカイロスという時の概念です。過去から未来へ流れる連続した時をクロノスと表現するのに対して、カイロスは人間の主観的な介入など、あるタイミングで時を切断する、または断絶を起こすという意味です。
 「1945年8月15日」。これは日本にとっての敗北のカイロスです。ただし朝鮮半島にとっては解放のカイロスとなります。同じタイミングでも歴史的に同じ意味を持つカイロスとなるわけではありません。
【以下省略】
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ギリシア語では、「時」を表す言葉が καιρός (カイロス)と χρόνος (クロノス)の2つがある。前者は「時刻」を、後者は「時間」を指している。
また、「クロノス時間」として、過去から未来へと一定速度・一定方向で機械的に流れる連続した時間を表現し、「カイロス時間」として、一瞬や人間の主観的な時間を表すこともある。 【ウィキペディア より】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●今、私は、佐藤氏の例示された、1600年の関ケ原の合戦は、天下分け目の戦いに関連した原稿を書いている。1600年、慶長5年、酒田城・長谷堂城などで繰り広げられた、武士たちの命をかけた戦いの現象の、その奥にあるものを推理している。佐藤優氏のお話は参考になった。
佐藤優氏  朝日新聞デジタル より