来るか 電子書籍の波

●今日の朝日新聞の夕刊によれば、今年も開催された、東京国際ブックフェアで、立花隆氏が基調講演をして、今度こそ、電子書籍の波が来ると話したという。
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■学校発で社会変革へ

 このフェアは出版関係者向けの商談展。立花氏は2003年にも講演を行い、「先行き真っ暗の大不況であればこそ、大チャンス到来の大乱世のはじまり」と話したという。しかし、実際の出版不況は予想を超える深刻さで、「出版社だけでなく、書店も取り次ぎも先が見えない」と嘆いた。

 その上で、「11年前にも『日本でも電子書籍時代が来るぞ』という話をしたが、今度は本当に来る。学校教育が変わるからだ」と断言。大阪市や東京都荒川区の小中学校などでタブレット端末の導入が進んでいることを例に挙げ、「教育現場に電子ブックリーダー的な端末が組織的に入ってすべての子どもが使えば、それは社会の変革そのもの」と述べた。

■本の概念が変わる

 立花氏は一昨年と昨年、東京都内と仙台の小学校で「宇宙観」をテーマに実験授業をした。生命存在の可能性などをめぐって注目を集める太陽系外惑星について、最新の観測結果などを伝えた後、インターネットで調べさせた。子どもたちは学習の成果をまとめ、驚くほど活発に議論したという。

 立花氏の予測によれば、タブレット端末を配布された子どもとそうでない子どもの学力に差がつくのは「火を見るより明らか」で、「この街とあの街で水準が違うとわかれば、日本では差を縮める方向に必ず動く」。そうなれば全国で端末が導入される日が「あっという間に来る」……という。「教育内容が変わるのはもちろん、本を読むという習慣そのもの、本という概念が変わる」とも力説した。

 一方で、立花氏は現在の電子書籍のあり方については批判的に言及。サービス終了といった売り手側の都合で、端末にダウンロードしていた書籍データが消された事例に触れ、「人によっては納得できないだろう」と述べた。
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●立花氏は、タブレット端末を配布された子どもとそうでない子どもの学力に差がつくのは「火を見るより明らか」である、とされるが、確かに、そうだろう。しかし、IT人口が増えるのと、紙の本と電子書籍の関係は、必ずしもイコールではない、そう、私は思う。電子書籍の到来は、やはり、コンテンツの量と質、価格、保存性、こんな点を、出版界が真剣に考えて実行してゆくことが必要だろう、と思う。マンガや、ライトノベル、などでは、読書人は食指を動かさないと思う。
東京国際ブックフェア