コピーフリー宣言

岩田書院の出版案内が届いた。相変わらず、充実した内容の出版活動を続けていて、頭が下がる。岩田書院の出版案内を見る楽しみの、もう1つは、社長の岩田博氏の「新刊ニュースの裏だより」である。今回の NO862 では、「コピーフリー宣言」を取り上げている。私は、図書館等で、書籍・雑誌などのコピーを依頼して、分量制限にあって、苦しんだことが多かった。このようなコピーフリーというスタイルのあることを初めて知った。
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 「自由利用マークhttp://www.bunka.go.jp/jiyuriyo/とは、「著作物を創った人(著作者)が,自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考える場合に,その意思を表示するためのマークです。」
 図書館などで本(または論文)をコピーしようとして、枚数制限などで全部コピーできず、再度足を運ばなければならないことがある。これは著作権保護の立場からそのように制限しているためだが、利用者にとっては不便このうえない。ことに、論文集などに収録されている論文は、論文全部をコピーしようとすると、全作品コピーとなってしまって、著作権者の了解をもらってこい、と言われる。そりゃ無理だわな。
 しかしコピーが野放し状態になるとどうなるか。研究論文などの場合、著者(執筆者)に印税が入る可能性はほとんどないが、雑誌の発行団体にとっては、雑誌が売れなくなって会財政が悪化し、研究者の発表の場が狭められることになる。研究書の場合も本が売れなくなると、出版社の経営が悪化して本の定価が高くなり、ますます本が売れなくなり、著者が資金負担でもしないと著書が出せなくなる(なっている)。
 このように研究発表の環境が悪くなると、学問の衰退に繋がるのだが、逆に、コピーが自由にとれないと、研究を阻害することにもなる。
 だから、前にも書いたが、買える人(機関)が買って買い支えて、買えない人はコピーしていい。でも就職して買えるようになったら、買ってね。という考えに立たないと、この商売、やっていけない。だから、こういう考えの出版社の本は、買わないといけないのですよ。
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■「自由利用マーク