『近世文芸』100号を祝す 

●本日、日本近世文学会から、平成26年度春季大会の開催通知があった。機関誌の『近世文芸』が100号になったという。第1号の発行は、昭和29年である。その前に、準備号として、昭和28年に「日本近世文学会会報」が4号まで発行され、翌29年に『近世文芸』第1号が発行されたのである。
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「日本近世文学会会報」
1号 昭和28年5月
日本近世文学会の成立について 久松 潜一
日本近世文学会の発足までの記 守随 憲治
京都だより 野間 光辰
近世初期の花街文学について 小野 晋

2号 昭和28年10月
国文学会の動向 暉峻 康隆
円朝語彙」抄 ―江戸市井語篇(一)― 正岡 容
西鶴の方法(要旨) ―小説における構成法― 暉峻 康隆

3号 昭和29年4月
私の提案 野間 光辰
近松物復活の苦心 竹本 綱太夫
北九州採楽の旅 渥美 かをる

4号 昭和29年10月
所感 重友 毅
金沢大会記 守随 憲治
江戸初期東国語素描 −醒睡笑の国語学的考察(一)− 金田 弘
演劇部会活動状況 杉山 丈夫

『近世文芸』

1号 昭和29年10月
創刊のことば 守随 憲治
私説『風流志道軒伝』に関する弁明 暉峻 康隆
浄瑠璃の詞章と曲節との関係 渥美 かをる
近世初期芝居歌の一資料 井浦 芳信
京都に於ける宇治加賀掾 ―宇治座を中心として― 信多 純一
竹田出雲の襲名と作品 祐田 善雄
気質物の方法とその限界 田中 伸
復刻『夜の錦』 板坂 元

●このような大先達の御努力で、今日の日本近世文学会があるのである。この学恩に感謝しなければならない。
●私は、昭和43年度春季大会で『可笑記』の諸本に関して発表したが、誌上掲載は『近世文芸』ではなく、『文学研究』であった。これは、口頭発表の前に、指導教授の重友先生から指示されていたものである。日本文学研究会の機関誌『文学研究』は、昭和28年7月創刊であるから、『近世文芸』よりも少し早いスタートであった。この『文学研究』は、平成19年に第95号をもって終刊した。100号まで出したかったが、母体の運営が続かなかった。これは、今も残念に思っている。
●ところで、今回の近世文学会は、『近世文芸』100号記念行事として、様々な行事が行われる。パネルディスカッションでは、「社会とつながる近世文学」があり、法政大学の小林ふみ子氏が司会で、パネリストは日本女子大学の福田安典氏、立命館大学の石上阿希氏、それに、ケンブリッジ大学のラウラ・モレッティ氏がビデオで参加する。また、もう1つの行事「江戸文学まつり」では、講談師や落語家、それにテレビのお茶の間でお馴染みの大学教授も参加して盛り上げる予定。
★学会の詳細 → http://www.ksskbg.com/kanabun/news2.html
■「江戸文学まつり」