異字同訓

文化庁文化審議会国語分科会は、21日 「「異字同訓」の漢字の使い分け例」 を発表した。
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「1972年に当時の国語審議会が示した異字同訓のまとめでは用例しか示されていなかったことから、意味の違いも明記して、「使い分け例をみれば判断できるようにした」(文化庁)のが大きな特徴という。
 全部で133項目の訓を紹介。「あう」という訓では、「会う」は「主に人と人が顔を合わせる」、「合う」は「一致する。調和する。互いにする」、「遭う」は「思わぬことや好ましくない出来事に出くわす」と意味を示している。
 また、文化審議会国語分科会で、「くら(倉・蔵)」「こおる・こおり(凍る・氷)」など、使い分けに困らなくなっていると判断された5項目は削除し、「さわる(触る・障る)」など用法を示した方がいいとされた9項目を加えた。
                朝日新聞デジタルより
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●意味の違いを明記して、使い分けを例示したので、異字同訓の漢字の使い分けがわかりやすく示された。

【収まる・収める】中に入る。収束する。手に入れる。良い結果を得る。
 博物館に収まる。目録に収める。争いが収まる。丸く収まる。手中に収める。効果を収める。成功を収める。

【納まる・納める】あるべきところに落ち着く。とどめる。引き渡す。終わりにする。
 国庫に納まる。税を納める。社長の椅子に納まる。胸に納める。

【治まる・治める】問題のない状態になる。統治する。
痛みが治まる。せきが治まる。領地を治める。国内がよく治まる。

【修まる・修める】人格や行いを立派にする。身に付ける。
 身を修める。学を修める。ラテン語を修める。」

(文化庁 「「異字同訓」の漢字の使い分け例」より)

●「「異字同訓」の漢字の使い分け例」には、このように、その語の意味と使用例が示されている。私は、昭和女子大学へ移る前、出版社の辞典部の責任者をしていた。40年も前の事であるが、『異字同訓語辞典』の企画を提出した。この私の提案は企画会議では承認されたが、さらに上の判断で保留になってしまった。そこで、私は大学へ移ることにしたわけである。この辞典の初版の原価は4000万円だった。今回の文化庁は、133項目であるが、私の企画は、常用漢字以外のものも含めるので、項目は大量であった。国語審議会がようやく、この問題に腰を上げたことになる。各出版社の辞典部はこの報告を受けて改訂することになるだろう。
■「「異字同訓」の漢字の使い分け例」 文化審議会国語分科会