赤井先生 さようなら

●原小学校の6年の時の担任、赤井三男先生が御他界なされた。年末の喪中の葉書で知った。本年11月に88歳でお亡くなりになられた。1昨年正月、久し振りに赤井先生の御宅へお伺いし、先生とも奥様とも長時間、思い出話をさせて頂いた。奥様が5年生の時の担任、赤井先生が6年生の時の担任だった。御2人は、その後、結婚されて、東京に出られた。東京の学校で教育に御尽力なされた。
●赤井先生は長年、校長先生を務められた。その功績が認められて、昨年、叙勲を受けられた。今年の年賀状には、勲章を胸にした、御夫妻の立派な写真が印刷されていた。
●私は、時々、雑誌論文や著書をお送りして、近況報告をしてきた。そんな、ある時、故郷で江戸文学について講演してはどうか、というお話が持ち上がったことがあった。その折、赤井先生は、秋男、それは止めた方がいいよ。と注意して下さった。いろいろ、お考えの末の一言だったと思う。私は、赤井先生のお言葉に従った。先生は、そのようなレベルで、小学校から現在まで、御指導下さったのである。
●私は、その喪中のお葉書を頂いた、ちょうどその時、「仮名草子研究の思い出(昭和女子大学最終講義)」125枚を脱稿した。次の雑誌に掲載したいと思っていたが、これを原稿段階で、赤井先生の御仏前に捧げて欲しいと、奥様宛にお送りした。先生は、何と言って下さるか。厳しく、慈愛に満ちた先生である。そのお言葉は、もうお伺いできない。

■原小学校卒業記念写真
 最後列の中央が 赤井先生