『近世初期文芸』 第30号 責了

●『近世初期文芸』第30号 が責了になった。

近世初期文芸』第30号 目次
    
○斎藤徳元の四季発句集たる
  「ありま有馬在湯日発句」 を読む〈三〉  … 安藤 武彦 
           
○合戦物小説の挿絵 …………………………  位田 絵美 
  ――寛文年間刊行の『大坂物語』を中心に――  
      
○長岡元甫の新出作品「陣刀記」について  … 八木 淳夫 
        
○『恨の介』と『竹斎』(その二――承前④) 
                     …… 田中  宏 
         
如儡子(斎藤親盛)の伝記に関する諸問題(4)         
         ――斎藤広盛と藤島城―― … 深沢 秋男 

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 〈新刊紹介〉 
小川武彦著 『百物語全注釈』 ……… 深沢 秋男 
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仮名草子関係新刊書・目次紹介 ……… 深沢 秋男                   
1 『百物語全注釈』
2 『仮名草子集成』第四十九巻
3 『仮名草子集成』第五十巻
4 『浅井了意全集』仮名草子編 4


●安藤氏の徳元研究も「ありま有馬在湯日発句」の発句全部に注釈を加えるという作業に取り組んでおられる。老骨に鞭打って研鑽する姿勢には頭が下がる。位田氏の仮名草子作品の挿絵に関する調査・論及には教えられる点が多い。いずれは大きく実を結ぶことと思う。八木氏が『智恵鑑』の作者・長岡元甫の新資料を紹介して下さった。有り難いことである。田中氏の『恨の介』論は、その写本に注目された労作。これまで、写本は未翻刻ということもあって、まともに論じられていない。その点でも、田中氏の結論が楽しみである。
●この号では、小川武彦氏の労作『百物語全注釈』を紹介することができた。前田金五郎氏の学問を継承された小川氏の新著が刊行されたことは、仮名草子作品の全注釈という道を開拓されたものとして、感謝する。加えて、本年は、『仮名草子集成』第49巻・第50巻、『浅井了意全集』仮名草子編 4 が刊行された。仮名草子研究にとって、嬉しいことである。
●『近世初期文芸』第30号は年末発行の予定である。

■『近世初期文芸』第30号