電子書籍の「個人出版」

●今日の朝日新聞によると、電子書籍で、作家が出版社を通さずに出版する「個人出版」が普及しているという。これまでの出版は、著者→編集者→出版社→取次→書店→読者、というルートだった。出版は、著者・出版社・読者の3者がいて成立してきた。もちろん私家版の自費出版は、自分で書いて、印刷・製本して、贈呈するという、スタイルはあるが、これは、販売を通して利益を得る目的ではない。
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■印税率70%も
 個人出版サービスは現在、アマゾン、楽天コボ、アップルなどが手がける。代表的なのが、アマゾンが昨年10月に始めた「キンドル・ダイレクト・パブリッシング」。出版の手続きは5分で済み、48時間以内に販売が始まるとうたう。費用はかからない。
 目を引くのが、作者の取り分である印税率の高さ。販売価格の35%か、独占販売を認めるなどの条件を満たせば70%も選べる。一般に10%とされる紙の本の印税率と比べ破格の数字だ。
 「マンガ家として食べていくには固定読者が3万人必要と言われたが、電子書籍個人出版は印税率が高いため5千人でも大丈夫」
 そう話すのは、マンガ家鈴木みそさん(50)。キャリア20年以上のベテランだが、昨年まで「紙媒体は仕事の依頼も原稿料も減る一方」。今年1月、既に紙の単行本を出していた『限界集落(ギリギリ)温泉』の電子版を作り、アマゾンで売り始めた。「出版社から紙の本を出す際、電子版は個人出版する了解を得ていたので、スムーズだった」
 ツイッターなどで宣伝したところ、1カ月で2万部超、300万円近くを売り上げた。売上額の確定している9月分までで、個人出版の印税収入は約900万円に達したという。「紙媒体の仕事がない中堅マンガ家に活躍の場ができて、マンガ表現の多様性にもつながる」   朝日新聞 より
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●出版界に、ネットが参入して、また、新しい動きが出てきた。しかし、出版におけるエディターの存在は、欠かせないだろう。いずれ、形態を変えて編集者・出版社が関与してくるものと思う。それにしても、印税70%は凄い。
朝日新聞 11月20日