鈴木重嶺・翠園 の資料

●今日、私は鈴木重嶺の資料を整理した。もう、残された時間も多くはないと思うので、鈴木重嶺の研究を切り上げて、仮名草子研究に絞りたいと考えたからである。鈴木重嶺関係資料は、昭和女子大学図書館の「翠園文庫」が、何と言っても第一であろう。これだけの資料が集められた文庫は他には無い。
●そんな関係で、鈴木重嶺に関して、ネット検索したところ、PDFで、川崎佐知子氏の論文「『槐記』山科道安自筆本焼失次第」(『立命館文学』630号、2013年3月)にめぐりあった。川崎氏は、松浦詮と近衛忠熈との関係の条で、次の如く述べられている。
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「・・・明治一二年三月一八日より一〇年に及ぶ月次歌会から千首を撰んだ明治二三年一〇月二八日刊行の『蓬園月次歌集』には、近衛忠熈の五六首が収められている。・・・」
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とされている。これは、私が『芸文稿』第2号(2009年4月)に発表した、「松浦詮編『蓬園月次歌集 完』の紹介――鈴木重嶺所収歌を中心に――」に拠ったものである。
●私は、この『芸文稿』という新しい雑誌を創刊する時、その意義に関して、随分悩んだ。新しい雑誌を出しても、図書館は、そうそう簡単には保存してくれない。この雑誌は、国会図書館国文学研究資料館都立中央図書館大阪府立図書館・昭和女子大学図書館・法政大学図書館に寄贈し、保存して下さることを依頼した。そんな雑誌であるのに、今回のように、引用され利用される事を知り、とても嬉しい。
■『槐記』  早稲田大学図書館所蔵本 ネットより掲載