カメラのレンズの研磨

朝日新聞の「凄腕つとめにん」で、磨いたカメラのレンズ 30万枚。というニコングループのマイスター・本田健一氏を取り上げている。本田氏は中学を卒業して栃木ニコンに入社された。以後、カメラレンズの研磨一筋に励む。カメラレンズで、許される誤差は1000分の1ミリだという。
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入社して46年間、ひたすらレンズを磨き続けてきた。カメラ用だけで、手がけたレンズは、30万枚。顕微鏡向けなども含めると、磨いたレンズは直径4ミリから32センチまでと幅広い。
 最近は、若手の指導に時間を割くことが多いが、五輪やW杯の撮影に使われる超望遠レンズをつくる時は、腕を振るう。もっとも難しい「前玉(まえだま)」とよばれる直径15センチの最前面のレンズの研磨を任されている。
 一眼レフカメラの交換レンズは、筒の中に大きさや種類の違う何枚ものレンズが並ぶ。前玉に写った画像は、後ろのレンズで拡大され、最後はカメラ本体の画像センサーに送られる。前玉の品質が低ければ、悪い画像が増幅され、写真のできばえが落ちる。だからこそ、「マイスター」の出番となる。
 中学卒業後、1968年に15歳で入社。最初の仕事がレンズ磨きだった。高度経済成長のまっただ中だった。ニコンが初の一眼レフカメラニコンF」を売り出して10年目。好景気の下、旅行が盛んになり、記念写真を撮るために、カメラはどんどん売れた。
 工場では「仕事は人から盗め」が当たり前。手取り足取り教えてくれる先輩はいなかった。同じ品質のレンズをつくるのにやり方はそれぞれ。レンズは設計ごとに、光学ガラスの成分が違い、硬さや熱への強さもばらつきがある。磨く時間や研磨につかう液体といった「レシピ」はその都度、練り上げる。
   以下省略  朝日新聞 より
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●私は、中学生の頃からニコンファンで、レンズは全てニッコールである。写真の腕は大した事は無いが、とにかくニコンのファンである。新しいレンズの開発には、大変な時間がかかる。設計上の計算、ガラスの質、レンズの研磨・・・。詳しいことは分からないけれど、解像力・収差・描写力、とにかく、ニコンが好きで、ニッコールにほれている。その優れたレンズの製作過程に、本田健一氏のような名人がいて、多くの人々を魅了しているのであろう。素晴らしい「つとめにん」だ。
朝日新聞 11月11日 夕刊

ニッコールレンズ群