国会図書館、ネット公開、一部中止

●今日の朝日新聞によると、国会図書館がネット公開している、全88巻の大正新脩大蔵経を中止するという。
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著作権が切れ、誰でも中身を公開できる本なのに、国立国会図書館が、出版社の抗議を受けて、インターネット上での無料公開を一時中止した。図書館には国民の知へのアクセスを助けるという役割もあるのに、法的な裏付けのない抗議に応じたのはなぜか。
 問題になったのは、仏教の経典を集めた全88巻の『大正新脩大蔵経』。編者の高楠順次郎氏の死後50年が過ぎ、1995年末に著作権は消滅。国会図書館は全ページをスキャンする電子化を進め、2007年に37巻分、今年2月に残りの51巻分をネット公開した。
 同書の紙の本は大蔵(だいぞう)出版が刊行したものが、今も販売されている。全巻セットだと約156万円。同社は「無料公開されたことで年間1千万円以上の売り上げが3分の1程度に減った」として、6月、中小出版社でつくる団体・日本出版者協議会と共に、国会図書館に公開中止を申し入れた。
 同館は公開を一時中止し約3カ月後に最終判断することにした。担当者は「法的には公開をやめる理由はないが、出版社を衰退させるのも良くない」と話す。   【朝日新聞 デジタル より】
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●私の持っている『大正新脩大蔵経』は、再刊として、昭和51年9月30日、大正新脩大蔵経刊行会発行のものであるが、都監=高楠順次郎・渡辺海旭である。とにかく、紙の本は膨大で保存も大変である。私は、かつて、日本文学研究会の文学旅行で、佐渡国分寺に宿泊させて頂いたことがある。お寺の正面玄関の右側に10畳間ほどの和室があり、そこに、『大蔵経』の原本、木版本が全巻、うず高く保管されているのを拝見して、大変な感動をしたことがある。後年、最後の佐渡奉行鈴木重嶺を研究していて、佐渡には何回も行くことになり、国分寺へもお邪魔したが、その折、林先生は、今もありますよ、と仰っておられた。
朝日新聞、8月7日
 
■『大正新脩大蔵経