岩田博『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 Part3』

岩田書院・社長、岩田博著『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 Part3』が発行された(2013年8月4日、岩田書院発行、定価1500円+税)。著者の岩田博氏は、
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岩田 博(いわた ひろし)
1949年 東京都出身
1972年 中央大学文学部史学科(国史専攻)卒業
1972年 名著出版入社(〜1992年)
1993年6月15日 岩田書院創立(現在にいたる)
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●著者は、大学で日本の歴史を学び、卒業と同時に名著出版に入社、出版の何たるかを身に付け、やがて自分の出版社・岩田書院を創業した。出版は、創り手としての著者、受け取り手としての読者、送り手としての出版業者によって形成される。恒常的に出版行為を行う者がいなくては、出版は成り立たない。出版は企画なり、企画は人なり。岩田書院の発行してきた出版物は、およそ、ベストセラーを目論むものは目につかない。発行者・岩田氏のメガネに叶ったものがリストに上げられている、そのように推測される。それにしても、創立20周年にしては、この出版点数はすごい。近代日本出版文化史に、岩田博の名は留められるだろう、私は、そのように考える。
●この度の近著『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 Part3』の内容は、私は、これまでに、岩田書院の出版案内で読んだものが多い。いずれも興味深い内容で、従来の出版人では書けないようなものが多い。それだからこそ、出版界の現実を知ることができる。ここまで書くか、と何度思ったか知れない。
●製作原価の公開、朝日新聞・読売新聞の書評効果、なんと11年、定価設定の根拠、原稿整理・校正雑感、月間4冊までなら、読者・著者の信頼と支持と共感と、断裁処分、2010年の新刊点数71点、やりたくない仕事、・・・・・・。
●確たる出版理念を持って、著者と向き合い、原稿を吟味し、レイアウト・校正して出版する。しかも「ひとり」で。私は、『浅井了意全集』でお世話になっているが、その対応ぶりに頭が下がった。
●岩田氏の出版人としての生き方に敬意を表し、本書の出版を祝す。
■『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 Part3』
  研究室のような編集室