電子書籍、安売り合戦

●今日の朝日新聞によると、電子書籍の業界が、値引き合戦を展開しているという。電子書籍の現在は、様々な問題をかかえながら、紙の本と共生しながら出版文化を変質させていくのであろう。
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 全品30%オフ、1巻目は無料――。電子書籍の世界で、マンガや小説を値引きしたり、一部を無料公開したりする販売手法が広まってきた。紙の本なら全国どこでも価格は同じ。電子書籍に「再販制度」が適用されないからこそできる戦略だが、「紙」にも値引き競争が波及すると、出版社が売れ筋の本しか作らなくなる懸念もある。
「全ての電子書籍30%オフ」。ネット通販大手の楽天は18日、運営する電子書籍販売サイトで割引キャンペーンを始めた。すると翌日、やはり電子書籍を販売するアマゾンジャパンも「30%ポイント還元」で対抗。両社とも数日でキャンペーンを終えたが、楽天の担当者は「市場は黎明(れいめい)期。試してもらうためのコストは惜しまない」と話す。
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 紙の本ではみられない「値引き」を前面に出した販売手法をとれるのは、出版社が小売価格を決められる「再販制度」が電子書籍には適用されないからだ。独占禁止法の規定で制度の対象は「物」に限られているが、公正取引委員会は「電子書籍は『物』でなく『データ』」という見解を示している。
 このためネット書店から出版社に値引きを持ちかける例もでてきた。楽天片山誠・イーブックジャパン事業コンテンツ推進部長は「出版社にとって価格は『聖域』。当初は値引きの提案に聞く耳を持たなかったが、売り上げアップのために受け入れるようになってきた」。
 紙の本でも出版社が書店に値引きを認めることはできる。だが、これまでは各社が歩調を合わせて定価販売をしてきた。電子書籍で一転、横並びを脱する動きが出てきたのには理由がある。スマートフォンタブレット端末で読まれることが多い電子書籍は、ネット上の動画などの無料コンテンツと顧客を奪い合う「フリーとの競争」を迫られているからだ。
 「ネットは紙の世界とまったく別で、ライバルは他社のマンガより、ユーチューブなどの無料サイト。手に取るまでのハードルを低くすることに尽きる」。集英社デジタル事業課の岡本正史副課長はそう話す。
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 ■売れ筋ばかりに出版偏る懸念も
 ■進まぬ普及 市場規模、紙の4% 品ぞろえ見劣り  
●アマゾンのキンドル18万台、楽天コボ15.5万台、ソニーのリーダー12万台。電子書籍の世界も、私のようなカタブツが電子端末を即購入したくなるような状況にならなければ、出版文化史上での大変革は出来ないだろう。今後が楽しみではある。
朝日新聞 7月25日