投稿少年の思い出

●今日の朝日新聞の「声」欄への投稿者への嫌がらせのニュースを見て、高校時代の事を思い出した。私は高校生の頃は、NHKラジオの「私達のことば」や新聞の投書欄によく投書していた。自分の書いた文章が電波に乗ったり、新聞の活字になるのが結構楽しかったのである。
●高校2年の時だったと思う。ある教諭の授業の姿勢に疑問をもって、県立高校の教員はこれで良いのか、とNHKラジオに投書した。朝の時間に放送された。夏休みが終って、2学期の最初の英語の時間、先生が新聞を読み上げた。これは、本校の生徒の投書である、と言う。私がNHKラジオに投書したものが、新聞に転載されたらしい。
●先生は、この投書の内容について、皆で話し合うように、と申される。自分の学校のことを公表するのは、自分の恥をさらすようなもので良くない、という意見も出た。別の意見では、これは事実だし、先生の態度はよくないと思うので、公表しても差し支えない、という発言もあった。私自身は、自分の書いた事でもあり、下を向いて黙って、友達の意見を聞いていた。
●10分間ほど話し合って、英語の授業に入った。テキストを開いた先生は、「深沢、読みなさい」と、私を指した。ラジオは匿名だった。たぶん、新聞も匿名のはずである。学校側は、NHK甲府放送局に電話でもして、私を突き止めたのであろう。先生は、悪いとは言わなかったけれど、私には、大変なプレッシャーになった。そして、以後、投書の類はしなくなった。