デジタル時代の 書体・フォント

●今日の朝日新聞に、デジタル時代の文字の書体について報じている。活字・文字の大手「イワタ」(岩田母型)は、朝日新聞が独自に開発した「朝日書体」を7月から一般に売り出すという。
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 明朝体には様々な種類があり、その代表格は「秀英体」だ。大日本印刷は、電子書籍時代を見据え、紙と電子媒体の両方に対応するためのリニューアルを実施。今秋にかけ、ゴシック体も含むデジタルフォントを順次発売中だ。
 小さいディスプレーでもきれいに表示されるよう、横画がより太いフォントも作成。携帯機用のロールプレーイングゲームの会話表示に、「物語世界の雰囲気が出る」と採用されるなど、活用の場は広がる。

 デジタル化で書体デザインの自由度も増す。アドビシステムズの「かづらき」は、歌人藤原定家の書風に触発された仮名文字中心の書体。「のびのびした仮名を作ろうと考えた」とデザイナーの西塚涼子さん。  
日本の書体の多くが金属活字時代からの伝統で、一定の四角の枠内にデザインされているのに対し、文字ごとに高さも幅も異なるのが特徴。枠を組むのでなく、文字が必要とする空間をふまえて配置するという考え方だ。上下の字がつながる「連綿」も表せる。
 ディスプレー上で再発見される書体の魅力もある。
 いまiPhoneやiPadに使われている「ヒラギノ」は、2000年にアップル社のMacOS10(テン)に搭載され、注目された。元は大日本スクリーン製造の写真印刷製版機向けに作られた。デザインした字游工房の鳥海(とりのうみ)修さんは「発売から7年、『鳴かず飛ばず』だったので驚いた」。
 画数が多い字も識別しやすいよう、線と線の間を均等に取り、鋭利なイメージを目指したことが画面上での見やすさにつながったと推測する。アップル広報部は、具体的な選定理由は答えられないとしつつも「どの言語でも一番美しいフォントを採用している」。
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●パソコンの容量も次々と大きくなり、かなり複雑な書体も収録できるようになった。木版活字→西洋活字→写真植字→ドット文字、このような流れで、漢字・仮名の文字の表現方法も変化し、複雑な形の文字も表現できるようになった。
●私達の雑誌『芸文稿』の題字をデザインしてくれたのは、杉本幸治氏である。杉本氏は1927年生まれ。三省堂で、本文用明朝体、辞書用特殊書体の設計開発に従事し、「本明朝」を開発した。私は、杉本氏に出会い、活字フォントの奥義の一端を教えて頂いた。
■「かづらき」アドビシステムズ

ヒラギノ 明朝体・ゴシック体

■杉本幸治 本明朝M 本明朝B

■杉本幸治作「芸文稿」原稿 50%縮小使用