和太鼓の舞 風林火山 響の里

●末広会の宴会の次の日、糸柳の近くにある「風林火山 響の里」で和太鼓の実演を鑑賞した。甲斐の武将、武田信玄は、戦の前に、和太鼓を打ち鳴らして武士団の気持ちを鼓舞したという。「風林火山 響の里」では、その伝統的な和太鼓を再現して演奏している。
●私達は、午前10時開演の和太鼓を鑑賞した。演奏者は8名いるとのことであったが、この時は、女性4名による実演だった。音響効果も抜群のホールでの演奏は、迫力満点。領土を守り、他国を侵略する戦国の世は、かくも壮絶な響であったのか、そのように心を揺さぶられた。演者の女性の打つ太鼓の響と共に発せられる声の拍子、女武者のことも思い出されて、心の臓に染み渡った。
●ホールへ行く廊下には、武田信玄ゆかりの鎧甲などが陳列されていて、風林火山の下に激動の時代を生き抜いた武将の背景が理解された。私は、身延町の飯富出身ゆえ、飯富虎昌に興味が深い。今年3月20日、御子孫の古屋昇氏が、第800回先祖祭りを開催され、当日は武田家第16代当主・武田邦信氏も出席された由。私は、御招待を頂いたけれど、都合がつかず欠席させて頂いた。
●私は、学生時代から、武田信玄の軍記『甲陽軍鑑』の研究はしていたが、その重臣・飯富(おぶ)虎昌が、郷里・飯富(いいとみ)と関係あることを知ったのは、かなり後のことである。平成11年〜平成14年、科学研究費基礎研究の共同研究に参加し、「近世初期文芸と近世軍書――『可笑記』と『甲陽軍鑑』――」97頁、をまとめたことがある。そんなこともあって、この度の、武田信玄出陣に因む和太鼓の演奏には感激した。
■「風林火山 響の里」



■武田家の案内役

■和太鼓の演奏