猿島 キャンプ

●高校3年の夏、親友の深沢一君と、猿島で3日間のキャンプをした。飯盒と米を持参してのもの。昭和29年頃だと思う。一(はじめ)君とは、本当に仲良しだった。映画を観るにもサイクリングにも、いつも二人いっしょだった。
●高校生ではなく、会社員という設定で猿島へ行った。服装もそれらしく整え、東京の中華そば屋さんでも、会社員です、と答えた。それが、実に楽しかった。
横須賀市の岸壁から船に乗り、あっという間に猿島に到着。夕飯の支度に御飯の炊き方が分からず困っていたら、親切な女性が水加減など面倒をみてくれた。
●夜は、アベックが多く、われわれ男性2人は、時間を持て余した。横須賀を眺めると港の明かりは、すぐ近くに見える。泳いで行くか? ウン。日本三大急流富士川で鍛えた泳ぎには二人とも自信があった。が、しかし、泳げども、泳げども港は近づかない。島を見ても港を見ても、周りは海ばかり。ようやく猿島にたどり着いた時は、ヘトヘトであった。猿島だから、猿がいるのだろうと思ったが、見かけることは無かった。
●一君は、その後、間組の現場責任者になって、多くの人を使って活躍したが、平成8年に他界されてしまった。
猿島



■私達の頃は、このような豪華な船ではなかった。