馬瀬狂言の研究

昭和女子大学の山本晶子先生から「馬瀬狂言資料の紹介(7)――馬瀬における「船渡聟」の変遷――」(『学苑』867号、2013年1月)という論文を頂いた。長年継続研究しておられる馬瀬狂言研究の最新の成果である。馬瀬狂言保存会所蔵の『船渡聟』の研究で、実証的なもので、先生の馬瀬狂言研究が着実に進んでいることを示している。

●念のため、昭和女子大の日本語日本文学科のサイトを見たら、山本先生の馬瀬狂言研究の1コマが掲載されていた。
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せんぐう館での馬瀬狂言 [2012年06月02日(土)]  <研究室便り>

 4月14日、半年ぶりに伊勢の地を訪れました。馬瀬狂言の上演があったからです。
馬瀬狂言とは、伊勢市馬瀬町に伝わる狂言で、三重県無形文化財でもあります。江戸後期からの資料も多く、ここ10年以上、馬瀬に通って調査を続けています。

 今回の目的地は馬瀬町ではなく、いつも素通りしている伊勢神宮でした(調査の折には、いつも東京から馬瀬町へ直行するので、お伊勢参りはできません)。
 伊勢神宮の外宮には、この4月から新たな施設がオープンしました。せんぐう館と名付けられたこの施設は、「第62回神宮式年遷宮を期して、社殿造営・御装束神宝奉製の技術を展観し、我が国が誇る技と心の精華を永く後世に伝える」(せんぐう館HP)ことを目的に作られたそうです。その開館に伴い、4/7〜15までの間、奉納行事が行われ、木遣りや舞楽、一色能など日替わりで奉納されました。そして14日は、舞楽、日本舞踊に次いで、馬瀬狂言が上演されたのです。

 今回の演目は、「棒縛」、「飛越」、「伊文字」の3曲でした。 
 「棒縛」は、留守中に酒を盗み飲みする太郎冠者と次郎冠者に業を煮やした主人は、二人をだまして、一人を棒に、一人を後ろ手に縛って外出します。ところが、懲りない二人は、不自由な形で酒を飲み、謡い舞っているところに、主人が帰宅し、追い込まれて終曲となります。現在の大蔵流和泉流の多くが、最初から最後まで棒に縛られたままで酒を飲むのに対して、馬瀬では途中から縄を解いて、更に上機嫌で酒を飲むという演出が行われており、注目されるところです。
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●山本先生の研究の様子が伺える。実は、私も伊勢には数え切れないほど行っているが、伊勢神宮には余り立ち寄らなかった。伊勢神宮の神宮文庫への往復である。調査研究とはこんなものである。
●山本先生の研究は、よく実地に調査され、その調査結果を丹念に読み解き、考察を加えておられる。いずれ、馬瀬狂言研究の第一人者になるものと思う。
昭和女子大の日本語日本文学科のサイト

■馬瀬狂言 山本先生のレポート より