「グーグル」の予測表示機能

●グーグルの検索機能が人間生活の上に悪影響を及ぼしている。この点を、今日の天声人語が取り上げている。
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天声人語  2013年4月17日
 便利だなと思っていたが、時には災厄をもたらすものでもあった。インターネット検索大手「グーグル」の予測表示機能である。ある単語を入力すると、関連する言葉が勝手に現れる。飲食店の名前なら、銀座、赤坂などと所在地を示したりする▼ある男性の場合、その名前を入れると犯罪がらみの言葉が併せて表示される事態になった。あたかも男性がその犯罪にかかわったかのような中傷記事が検索にひっかかり、容易に読まれてしまう▼これは男性への名誉毀損(きそん)である。東京地裁は一昨日の判決でそう認め、グーグルに表示の差し止めを命じた。男性の代理人の富田寛之弁護士は「表示は自動的、機械的にされるものだが、グーグルにも責任があると認めた点で画期的」と評価する▼自分についての情報がネット上で独り歩きしてしまうことの怖さを如実に示す例である。自分の情報は自分でコントロールすることができなければならない。それは現代のような高度情報化社会には欠かせない「新しい人権」だろう▼欧州では「忘れられる権利」というものが唱えられている。ネットに一度公開された不本意な情報を、後から削除させる権利である。買い物をはじめとするネット上の行動履歴を、業者に追跡されることを拒む権利も議論されている▼いま個人情報を電脳空間にさらさずに暮らすことは難しい。それでも選択の余地はある。例えばポイントカードはただお得なのではない。履歴が残る。そう知った上での選択がある。
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●例えば、「井関隆子」と入力すると「井関隆子日記・井関隆子日記現代語訳・井関隆子日記センター」などと表示される。「仮名草子」では「仮名草子集成仮名草子現代語訳・仮名草子かなめいし・仮名草子竹斎・・・」、「近世初期」では「近世初期文芸・近世初期の出版」などと出る。「深沢」では「深沢高校・深沢あかり・深沢七郎深沢邦之深沢美潮・深沢高校偏差値」などと出るが「深沢秋男」はでない。予測検索機能は、ネット界の使用頻度の語を良く見ている。それにしても、いったん発信した情報を消滅させるのは簡単ではない。このあたりを注意して、自分の事はアップすべきだろう。
■グーグルの予測表示