『芸文稿』 第6号 校了間近

●『芸文稿』第6号 が間もなく校了になる。この雑誌も、『文学研究』の終刊を受けて、さらに研究を継続したいという人や、何か文章を発信したいという人たちが創刊した。6年前のことである。今度の号の内容は次の通りである。
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       『芸文稿』第6号 目次 

森鴎外「夢がたり」連作歌の謎 …………………… 小平 克  (1)
  ――夢か現か――
○斎藤徳元の四季発句集たる …………………… 安藤 武彦  (83)
  「有馬在湯日発句」を読む〈二〉       
○江戸時代雑感  …………………………………  坂井利三郎 (99)     ――その⑥ 「水戸黄門――藩主決定の真相――
○元禄大地震より今を考える ……………………… 坂井利三郎 (110)    ――江戸時代雑感〔余滴〕――                  
○『源氏物語』鑑賞 (その六) …………………… 田中 宏 (115)
○『紫式部日記』鑑賞 (その四) ………………… 田中 宏 (138)          
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○『異本翁草』 翻刻 (京都大学附属図書館蔵)(三) 
               ……………… 松本 節子 (149)

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○野間道場あれこれ(その四) ……………………… 田中 宏 (204)
重友毅先生と私 …………………………………… 深沢 秋男 (214)

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●私のものは、相変わらず、遊びのような内容で恐縮するが、この号、巻頭の小平氏森鴎外論は、82ページの労作。松本氏の京都大学附属図書館所蔵の『異本翁草』も貴重な資料の紹介で、50頁である。安藤氏の徳元発句評釈、宮島・関口両氏のおふだ文化史論考、ともに多くの事を教えて貰える。坂井氏の水戸黄門伝説への鋭い指摘は、大いに読ませる論説である。仮名草子研究者・田中氏の『源氏物語』解釈への挑戦には、教えられる点が少なくなく、頭が下がる。小さな雑誌ではあるが、それぞれの執筆者の思いは、必ず後世に伝わるだろう。発行は、4月1日である。

■『芸文稿』第6号