国会図書館、オンライン資料制度収集

●●「文化通信ニュース速報 2265」によると、国立国会図書館が、オンライン資料の収集を開始するという。
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国会図書館、オンライン資料制度収集説明会を開催
 国立国会図書館は1月30日、東京・千代田区国立国会図書館新館講堂で「オンライン資料制度収集説明会」を開催、関西館と中継しながら行われ、7月1日から開始するオンライン資料の制度的収集(電子納本)の納入対象および費用補償などの説明が行われた。
 あいさつに立った、国立国会図書館電子情報部・中山正樹部長は、印刷出版物として発行されない電子書籍・ボーンデジタルが増えていることを指摘し「ボーンデジタルも日本の出版文化が育んだ知的資産。公共財として保管し、将来にわたって利用を保証する必要がある」と述べ、オンライン資料の制度的収集への理解を求めた。
 電子情報部電子情報企画課・廣瀬信己課長補佐が「改正国立国会図書館法によるオンライン資料の収集」について説明。オンライン資料の収集にあたり、7月1日に改正国立国会図書館法および改正著作権法が施行されるが、改正国立国会図書館法の付則により、納入義務対象となる資料は、当面、特定のコード(ISBN、ISSN、DOI)が付与されたもの、もしくは、特定のフォーマット(PDF、PDF/A、EPUB、DAISY)で作成されたもののいずれかで、無償かつDRMがないものに限定される。
 フットプリントなどのソーシャルDRMは「DRMではない」との見解を示しており、納入の対象となる。また、有料の会員制サイトの中で頒布している資料については、「会費は有償にあてはまる」との見解を示した。
 納入義務の対象から外れるものとして、ブログ・ツイッター・商品カタログなどの簡易なもの、電子商取引などの申請・届出などの事務が目的のもの、大学の機関レポジトリなど長期利用目的でかつ消去されないものがある。また、事前に申し出て確認がされれば、紙の図書・雑誌と同一版面のものも納入義務対象から外れる。
 納入義務者は、オンライン資料をインターネットなどにより広く公衆に利用可能とし、または送信したものと定義し、出版者と頒布者が異なる場合は、原則として出版者が行う。
 メタデータは、PDFの場合「文章プロパティ」の「概要」タブにメタデータを記載し、EPUBの場合、「OEBPSフォルダ」の「contentopf」内の「metadataセクション」にメタデータを記載する。このほかにも、CSVファイル、エクセルなどに記述する方法を用意する。
 納入方法は、①インターネット上に掲載し、URLを連絡して行う「自動収集」②国会図書館の送信システムを通じて行う「送信」③光ディスクに格納して郵送する「媒体送付」の方法を示すが、②の送信して納入する方法は、予算の関係でシステム公開が14年早期となっていることから、公開後にまとめて納入することができる。
 費用補償は、納入方法③にかかる光ディスク代と送料を補償する。
 利用提供は、館内(東京本館・関西館・国際子ども図書館)での閲覧、複写サービスを実施する。電子データのダウンロードサービスは原則として実施しない。また、印刷が技術的に制限されている資料の複写提供は行わない。登録利用者に対する遠隔複写サービスは準備が整い次第、実施する。図書館などへの送信、インターネット提供は原則として行わない。閲覧開始は、今年の10月を予定している。
 質疑応答では、法施行前の欠号分の収集方法について質問があり、「欠落は望ましくない。義務ではないのでこちらから提供の依頼をし、許諾にもとづく収集を働きかける」と説明した。
 また、電子データは更新が簡単なことから、加筆・修正が入った場合の対応について質問があり「ファイルを書き換えた場合、新たに提供してもらう。些末な修正なら必要がないが、改訂などがされた場合は、新たに提供してもらうことが望ましい」と説明した。
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●オンラインの資料は、紙媒体よりも不安定ではあるが、次第に充実し、やがて質的にも、印刷された雑誌や書籍に匹敵するものとなるだろう。図書館として、これらのデータを収集保存しなければならない。そういう時代になったのである。