国会図書館 蔵書を配信

●今日の、朝日新聞1面に、国会図書館が、2月1日から電子書籍の配信を実験的に開始すると報じている。  
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 国立国会図書館の蔵書を電子書籍にして配信する実験が2月1日、始まる。文化庁が呼びかけ、紀伊国屋書店大日本印刷グループが参加する。同館が蔵書をスキャンして作った画像データを、民間企業が電子書籍に変換して活用する初めての例となる。
 大日本印刷側は電子書籍ファイルを作り、紀伊国屋書店が自社の電子書籍ストア上で無料で一般に配信。利用者は紙の本のような感覚でページをめくれる。一部の書籍は全文対象の検索もできる予定だ。
 実験で配信されるのは、13作品。画面をスクロールすることで本物の絵巻のようにつながった画像を楽しめる「平治物語」や、直筆版と活字版を合わせた芥川竜之介の小説「河童」、柳田国男の「遠野物語」などが予定されている。解説や装丁に著作権のある書籍もあったが、許諾をとった。
 図書館の電子化は世界で進む。国会図書館は、著作権のある書籍も数百円で配信して作家らに著作権料を分配するという前館長の構想のもと、蔵書の電子化を急いだ。だが出版社が民業圧迫だと反発していた。
 今回は同館が主体ではなく、民間のストアが配信。電子書籍のタイトル数不足に悩む出版界には、将来的には国会図書館のデータを元に作った電子書籍でラインアップを充実させたいとの思惑もある。民間側が同館に一定の使用料を支払い、有料配信するモデルも視野に入れている。また、出版界が協力する背景には、米アマゾンや、各国の図書館の蔵書を電子化したグーグルなどが同館のデータを手にすることで国内の電子書籍市場を寡占することへの警戒心もある。
 国会図書館には、民間の力を借りることで、利用者が日本最大の知の宝庫によりアクセスしやすくしたいという狙いもある。(赤田康和、木村尚貴)
                    【朝日新聞・デジタル より】
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●いろいろ問題もあるかと思うが、日本最大の図書館、国立国会図書館が動いてくれなければ、始まらない。『平治物語』や『河童』や『遠野物語』など、これこそ国内、国外の研究者が待ち望んでいるコンテンツである。著作権、出版界、図書館など、様々な思惑はあると思うが、それらを、解決処理しながら、進めることが、電子書籍時代への対応である。いずれ、仮名草子作品の複製も電子書籍として配信されるだろう。早稲田大学図書館などをはじめ、大学図書館などで、古典籍の複製を公開しているので、大変有難いが、さらに充実してゆくだろう。

朝日新聞 1月29日

朝日新聞、デジタル より