センター試験の国語問題

●今日の朝日新聞によると、先日の大学入試センター試験の国語の平均点が大幅にダウンして、過去最低だという。受験生の実力が落ちたのか、問題が難解だったのか。小林秀雄の文章が難しかったのか、ブツギをかもしている。
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●いきなり難解、受験生苦しむ
 同センターによると、過去の国語の平均点が最も低かったのは、2003年の101・08点(200点満点)。中間集計は1〜2点の誤差があるが、現段階の数値が変わらなければ、過去最低となる。
 今年の国語の問題は例年通り、評論、小説、古文、漢文から1問ずつ。大手予備校の自主集計によると、1問目の正答率が軒並み、例年に比べて低かった。出題されたのは小林秀雄の「鐔(つば)」。刀の鐔の歴史に始まり、その美しさについて思いを巡らせた随想で、脚注だけで21個、鐔を示すイラストまで添えられた。
 小林秀雄(1902〜83)は戦前から活躍した批評家で、「近代批評の神様」とも言われた。代表作「無常といふ事」のなかの一文「美しい『花』がある 『花』の美しさという様なものはない」のように、意表をつく言い回しが多いために文意をとりにくく、昔から受験生を苦しめてきた。    (朝日新聞 より)
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●私は、大学入試やセンター試験の問題には、興味がなく、いつも、スーッと目を通すだけである。入学者を選別する手段に過ぎないと思っているからである。ただ、今回のセンター試験のトップの第一問の小林秀雄の文章だけは、読んでいた。上手いもんだなー、と感心していた。「小説の神様」が志賀直哉ならば、「近代批評の神様」は小林秀雄であろう。確かに「意表をつく言い回しが多いために文意をとりにくく、昔から受験生を苦しめてきた。」かも知れない。文章は、平易で、解りやすく、とよく言われる。それも一理はあるが、文章は、その人の内面をどこまで表現できるか、という側面もある。執筆者の、鋭い感受性や観察や思考やが、どのように文章に定着できるか、それも問題である。作家は、そのために身を削る。評論家も同じだろう。私は、そのように思う。
朝日新聞の記事より

■第一問 小林秀雄 『鐔』  予備校のネットより