印を刻む町 山梨県 六郷

●今朝、妻がテレビを見るようにと言うのでスイッチを入れると、NHKの「小さな旅」で、はんこの町、山梨県三郷町六郷を放送していた。私にとって、懐かしい所である。身延線甲府へ行くには、バスか自転車で西島を通って、富士川に架かる月見橋を渡り、甲斐岩間へ出る。月見橋から甲斐岩間駅までの間にはんこ屋さんがたくさん並んでいた。ここが、印を刻む町、六郷である。

●後年、私も蔵書がたまって、蔵書印が欲しくなったが、これは、山形、酒田出身の篆刻家・冨樫省艸氏にめぐり合って、刻して貰った。蔵書印からやがて遊印に広がって、およそ400本を冨樫氏の御厚意で持つことになった。貧乏研究者には分に過ぎたことである。しかし、実印・認印や住所印は、全て郷里・六郷にお願いしている。

●私の祖父は、村の中で、代書屋のような役割をしていたらしく、役所や裁判所へ出す書類は村人に代わって書いていたようだ。その1枚が表装されて、私の書斎にかかっているが、朱印がベタベタ捺してある。祖父・廣吉が私の遊印を見たら、何と言うだろうか。・・・。

■NHKの「小さな旅」

■アナウンサー 國井さんの印を彫る


富士川にかかる月見橋

身延線 甲斐岩間

■祖父、深澤廣吉の書類