学術情報発信力

●今日の、朝日新聞、文化欄で、「学術発信力中国が先行 日本、データベース充実急務」という見出しで、日本と中国の情報発信の格差についてレポートしている。
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「学術情報を電子化して世界に大量発信する中国と、引きこもる日本。発信力の格差が急速に広がっていると、日本の研究者から対応を求める声があがり始めた。」
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●昨年11月、アメリカで日本研究に関係する、大学図書館司書と研究者が、国際フォーラムを横浜で開催した。テーマは「日本の学術発信力の強化」だった。このフォーラムで早稲田大学教授の新保敦子氏が、中国の状況を報告した。
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「中国の教育史が専門の新保敦子早稲田大教授が、中国の例を報告した。 中国の学術情報データベース(CNKI)は、94年以降の学術雑誌7700タイトル、論文2930万件など中国の学術資料の約90%を収録(2011年現在)。国家的事業として推進され、理工系から文学歴史哲学まで分野別に、海外にも販売されている。 」
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●自然科学の分野では、世界がリアルタイムで研究・発見・発明の情報を共有して研究している。その様子は、私は昭和女子大学時代に、自然科学の岡村浩先生の教えを頂いていたので、文系の緩慢な動きを憂慮していた。
●日本でも、国立情報学研究所がデータベースを作り始めていて、1500万件まで論文は収録されているが、本文全文が閲覧できるのは、400万件くらいだと言う。著作権処理に手こずっているらしい。
●私の出している雑誌の論文に関して、国会図書館が電子化で、いちいち許諾を連絡してきたことがあった。私は、ドシドシ使ってもらいたい、と応じた記憶がある。私自身は、著作権などという、小さな事にこだわらず、自分の研究情報をドシドシ活用して貰いたいと考えている。
●ただ、世界への情報発信がおくれると、新保敦子氏の指摘されるように、こちらの研究が、出典を明記しないままで、先方に利用される可能性もあるので、世界的視野で対応する必要があるように思う。

朝日新聞、1月14日