若宮貞次著 『続連作と現代短歌』 刊行

若宮貞次先生の『続連作と現代短歌』が発行された(平成25年1月6日、現代短歌社、定価2500円)。アララギ派歌人による、連作短歌の研究である。
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若宮 貞次 (わかみや さだつぐ)
歌  人 
1926年(大正15年) 山梨県南巨摩郡身延町(元、原村)に生れる
1947年 山梨師範学校卒業・「アララギ」入会
1947年 山梨県・東京都公立学校勤務
1954年 日本大学文学部国文科卒業
1985年 短歌雑誌「あかね」主宰
1987年 東京都公立学校長退職
著  書
1969年 『作文記述活動の発達研究』(実践国語賞)
1972年 歌集『山峡』(合著) 短歌新聞社
1988年 歌集『万葉集短歌所見』 あかね発行所刊
1991年 歌集『少女と少年』 短歌新聞社
1995年 歌集『野川集』 あかね発行所刊
1998年 歌論『万葉植物と現代短歌』 短歌新聞社
2005年 歌論『連作と現代短歌』 短歌新聞社
2007年 歌集『小金井集』 短歌新聞社
2011年 歌集『続小金井集』 短歌新聞社
短歌雑誌 「あかね」編集兼発行
1985年(昭和60年)より刊行。毎年6号を発行。
2012年(平成24年)第28巻。
短歌指導
○ 東京むさし野歌会
○ 小金井いずみ短歌会
○ 山梨中央歌会
○ 塩山歌会
○ 冬葵短歌会
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万葉の歌を尊び
子規以来の写実の歌
生活に即した真情の歌
重厚にして清新な歌をめざす
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はてなキーワード」より。
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●この度の『続連作と現代短歌』は、平成17年刊の『連作と現代短歌』に続く連作短歌の研究である。万葉集正岡子規伊藤左千夫斎藤茂吉土屋文明等の連作を対象に研究し、さらに、御自分の連作作品をも加えて分析しておられる。これまでに、分析研究の対象として取り上げたのは70例以上になるという。先生は連作研究に1つの方法を打ち出しておられる。
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「連作による作品には、一連の歌を一貫して流れる心情(主題)があり、その心情の効果的な展開としての組みたての配慮があり、その定着としての語句表現がある。この一体的な表現によって連作の良し悪しが定まると思うのである。」
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●主題・組みたて・語句、この3つの要素を基準にして、それぞれの作品を分析し、評価されている。文学作品の評価基準は、誠にむつかしい。私も文学研究が仕事であるので、この点に関しては、苦しみもし、悩みもした。私には、私の評価基準があるが、若宮先生の基準には客観性があり、説得力がある。私は、法政大学時代、西尾実先生に習った。西尾先生は、文学作品の研究分析の手法に、主題・構想・叙述、という体系を提出された。これは、文学のジャンルにもよるが、かなり有効な方法だと思う。
●それにしても、若宮先生の御研究は敬服せずにいられない。私は、かつて、明治・大正の短歌史の研究を整理した時、斎藤茂吉の『明治大正短歌史』に接して、その業績に対して、驚きと感謝を捧げたことがある。この度の、若宮先生の御著書を拝読して、それと同様の感激をした。
★本書の詳細 → http://www.ksskbg.com/sonota/shin.htm

若宮貞次著『続連作と現代短歌』