「横山重先生の思い出」

●今日、菊池先生にお願いして、「横山重先生の思い出」を「芸文稿の会 関係者の広場」に追加してもらった。私の研究生活の中で、学恩を賜った先生は多い。その中で、横山重先生は、単に研究上のことのみでなく、人としての生き方に関しても、御指導を賜った。『芸文稿』第5号で、横山先生のことを記録したのは、そのためである。来年、4月に発行される『芸文稿』第6号では、恩師・重友毅先生に関して発表する予定である。学恩を賜った先生は、まだ、まだ、たくさんおられるが、まず、重友先生、横山先生である。

●横山先生から、昭和47年3月28日、封書を頂いた。中には、東京美術発行の、伊波普猷東恩納寛惇横山重 編 『琉球史料叢書』全5巻の内容見本が同封されていた。法政大学教授・外間守善先生の推薦の言葉が載っていた。そういえば、外間先生も、本年、御他界なされた。

●横山先生の、お手紙には、

 「私は当地へ来て満十一年。当地へ来てから、四月になると、再刊二十一、新刊九 です。全部で三十冊。そして、印税もらへるのは今度の琉球(五百部、一割)一 冊だけです。新刊九の中で、七冊は文部省助成出版です。無職三十一年で、全部 「竹の子」で来た。
       三月廿八日         横山 重」

●頭の下がる、先生の生き方である。この生き方を見習わないのでは、申し訳ない。私は、そう思った。法政大学の卒業論文指導の時、「卒業論文は、自分の全心身を傾注して取り組む無償の行為である。」と教えられた。魅力的な振る舞いである。

★「横山重先生の思い出」 → http://www.ksskbg.com/geibun/hiroba.html

伊波普猷東恩納寛惇横山重 編 『琉球史料叢書』内容見本

●横山先生の書き込みがある。