イザベラ・バード 『日本奥地紀行』

●ヤギケン ウェブ サイト の八木健吉氏が、明治初期に来日した、イギリスの女性、イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む、というレポートを発信した。私は、このイザベラ・バードという女性を知らなかったし、彼女の『日本奥地紀行』も読んだ事が無い。しかし、八木氏のこの、やや長文のレポートは、一気に読んだ。手際よく、『日本奥地紀行』の内容と、その著者についてまとめておられる。この、『日本奥地紀行』は、宮本常一も高く評価しているという。今日は、嬉しい記事に巡り会った。

●八木健吉氏のレポートの一部を紹介する。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
イザベラ・バードの来日>
・・・日本がまだ維新の激動期にあった1878(明治11)年5月21日に、1人の英国人女性イザベラ・バードが横浜に上陸した。維新の改革に対する士族の不満がまだくすぶっており、大久保利通が暗殺された直後の政情が不安定な時期である。彼女の目的は日本を旅行し、まだ世界(西欧社会)に知られていない日本の現状を記録することであった。

イザベラは1831年に英国ヨークシアで生まれ病弱だったが、医者にすすめられて航海や旅行を始め20歳代から各国を回って旅行記を出版した。1878(明治11)年に初めて日本に来たときは47歳であった。彼女はその後も5回ほど日本を訪れ、70歳まで世界を回り1905年に72歳で亡くなっている。時代は下がるが、我々の年代ならよく知っている兼高かおるさんみたいな人だったらしい。

イザベラ・バードの日本奥地紀行>
彼女は1878(明治11)年6月中旬に東京を発って3ヶ月にわたる日本北部の奥地旅行を行った。その記録が妹への手紙集として書かれ、「日本奥地紀行」として1880(明治13)年に初版が発行された。以前から一度読みたいなと思っていたところ、ふと立ち寄った新大阪駅の書店で、「ちょっと知的な贅沢」と銘打った平凡社ライブラリーのキャンペーンがあり、その中に冒頭写真のイザベラ・バード著;高梨健吉訳「日本奥地紀行」(平凡社)が出ていたので早速購入して読んだ。

イザベラは横浜上陸後、初めての日本を観察しながら東京の英国公使館に入り旅行ルートを検討する。外国人はまだ国内を自由に旅行出来なかった時代であるが、彼女は当時の都会ではなく本当の日本を見たいという思いから、この国でもっとも外国人に知られていない地方を探ろうとして北国を旅行しようと計画した。日本政府も旅程表を承認したもののルートのかなりの部分が情報不足という状態だったらしい。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
★詳細は → http://yagiken.cocolog-nifty.com/
■ヤギケン ウェブ サイト

イザベラ・バード『日本奥地紀行』
平凡社ライブラリー

宮本常一 『イザベラ・バードの日本奥地紀行を読む』
平凡社ライブラリー