早逝する職業

●かなり前、福島の二本松駅でタクシーに乗った。中沢家の系譜・家系資料調査のためである。運転手が私に質問した。職業別でどの職業が最も早死にするかわかりますか? しばらく考えていると、小学校の教員ですよ、今日の新聞に統計が出ていました。驚きの結果だった。小学校の教員は、全科目を1人で教える。教職としては、人間の成長過程で、最も重要な時期を担当する職業である。それなのに、何故、早死にするのか。学級崩壊や、いじめや、保護者とのイザコザなどのストレスか。

●同じ教職に従事している者として、このことは、頭から離れなかった。小学、中学、高校、大学。私は、教育実習で高校の経験があり、あとは短大と大学と大学院で教えた経験がある。思えば、小学校の教員ほど、教育内容を規制されている段階はない。これだけは教えなければならない、これ以上は教えてはならない。教案も分単位で計画を立てる。しかも同じ内容である。大学を卒業して就職し、定年退職するまで、仮に小学1年生を担当したら、毎年、毎年、同じことの繰り返しとなる。これでは、頭の働かせ方もなく、早死にも仕方が無い。

●もちろん、マンネリにならないよう、担当学年を変えたり、学校を変えたり、様々な工夫はしているだろう。しかし、大筋では、そんな傾向があり、こんな統計結果が出るのかな、そのように思う。しかし、二本松での事も運転手から聞いた事であるし、正確ではない。さらに、その後の統計結果が出ているかも知れない。