与謝野晶子 の 声

●菊池先生のエッセイで、志賀直哉の声について採り上げている。
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志賀直哉の声
2012/08/04_Sat_08:36
志賀直哉の声を聞いた。『三代目桂三木助落語全集』に「朝の訪問」のインタビューが残っている。昭和32年、74歳とは思えぬ若々しい声だ。NHKには他にもあるはずだ。これらの音源から談話を活字化するとともに、CDを付録でつけなければ、真の全集とは言えまい。
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●全集にはCDの付録を付けるべき、という御指摘。もっともだと思う。参考のため、私もネットで直哉の声を聞いた。小説の神様らしく、言っている内容が凄い。私は、志賀直哉の小説が、体質に合っていて、よく読んだ。『暗夜行路』の直子を駅のホームで突き飛ばす場面、ゼミ参加の方々の多くは、この内容に批判的だった。しかし、私には、主人公の心理がわかり過ぎる位、スーッと入ってきた。文学は、創作する側も、追体験する側も、それだけの資質が問われるのだろう。

●それは、それとして、私は、与謝野晶子の声を聞いて、その場に立ち尽くした経験がある。昭和女子大学の文化祭の時、日本文学科の展示室では近代女流作家を取り上げていた。部屋には、かなりの音量で歌を朗詠する女性の声が流れていた。ウン? 与謝野晶子が自分の歌を浪々と吟じていたのだ。歌の内容も凄いが、その声の凄さに圧倒された。録音は上出来ではなかったが、よくも、このように貴重なテープを探し出したものだと、感激した。どこかのセンセイが万葉集の歌を鼻先で歌っていたが、それとは、雲泥の差である。

与謝野晶子
 鈴木重嶺の姪は、晶子に歌を学んでいた