おすすめの 国語辞典

●小学校の同級生の深松君から電話があった。使っている国語辞典が古くなったので、買い換えたいが、良いのはどれか、という質問。私は、手軽なところで、三省堂の『新明解国語辞典』の7版の机上版と、『岩波 国語辞典』の第7版を使っている、と答えておいた。それに、これは君には関係ないが、古語辞典は、『岩波 古語辞典 補訂版』を常用しているとも付け加えた。5万語クラスでは、こんなところだろう。

●私は、長澤規矩也先生の推薦で、誠文堂新光社の辞典部にお世話になり、12年間、国語辞典と漢和辞典の編集を担当した。だから、『新明解国語辞典』も『岩波 国語辞典』も、その特徴は知っている。ところが、先日、朝日新聞の記事を読んで、お笑いタレントのサンキュータツオ氏のコメントに驚いた。実に詳しく国語辞典を研究されている。傾聴に値する内容であった。

●私は、大学生の頃、西尾実先生の授業の余談で、国語辞典の編集の苦労話を伺った。先生は、語意の〔言い換え〕の無い辞典を目指したい、と申しておられた。その成果が『岩波 国語辞典』である。また、長澤先生の関係で、三省堂の辞典部の方々には、多くの事をお教え頂いた。現在、書店の辞典コーナーには、多くの国語辞典が並んでいる。どれにするか、迷うだろう。深松君も、それで電話を寄越した。

●ちなみに、私は、このほかに『広辞苑』『広辞林』『日本国語大辞典 2版』『大辞典』『大言海』『諸橋 大緩和辞典』『殿版康煕字典』『玉篇』、古辞書などを使っている。『広辞苑』などは、使い込んで、『岩波国語辞典』並に、軽々と開けるようになっている。辞典は、いくつも、いくつも、併用してもらいたい。サンキュータツオ氏が言うように、「最も売れている辞書はあるが、最も正しい辞書はありません。」

■『新明解国語辞典』第7版・机上版

■『岩波 国語辞典』第7版

■『岩波 古語辞典 補訂版』

■『携帯 新漢和中辞典』
 長澤規矩也先生記念特装版 非売品