磯部欣三氏の佐渡研究

●4月1日、思いがけない著書に巡り会った。磯部欣三氏の『つれづれなるままに』(2012年1月4日、斎藤武彦氏・斎藤純子氏発行、非売品)。磯部欣三氏は、平成18年1月、80歳になる直前に、御他界なされた。生前に発表された文章をまとめられたものである。その扉に、

父を愛し支えてくださった
先輩、友人の方々へ
慕ってくれた父方、母方の従兄たちへ
そして孫たち、曾孫たちへ

とある。磯部氏は本名を本間寅雄と言われる。そのお子さん達が、父の書きのこした、佐渡への想いをまとめられたのである。この、書が見事な構成になっているのは、本間氏の著述目録でも尽力された、北見継仁氏の協力によるものである。磯部欣三氏も、この本を見て、我が子の愛と、後継者の尽力に喜んでいるものと思う。

●私は、はるか以前、研究会の旅行で佐渡に渡り、真野の国分寺に宿泊させて頂き、佐渡を見学、佐渡への想いにとりつかれた。その後、井関隆子と佐渡の蔵田茂樹の関係で近づき、さらに鈴木重嶺で深い関係を持った。その時、本間寅雄先生にお会いすることができ、多くのことをお教え頂いた。もう毎日新聞を退職されて、佐渡博物館館長をされておいでの頃かと思う。佐渡の生き字引のような、光り輝いておられた。今回の著書の口絵写真の本間先生を見ると、精力的に佐渡の史跡をたずね、研究を重ねられた御様子が伺われる。貴重な御本を賜り、また、さらに、佐渡を知ることができる。学恩に謝する。

★本書の詳細 → http://www.ksskbg.com/sonota/shin.htm

■磯部欣三著『つれづれなるままに』

■若き日の磯部欣三氏