電子学術書の利用

●昨日の、文化通信で、「電子学術書利用実験プロジェクト」が、慶應大学等で進められていて、この夏から他大学と共同実験を開始することを知った。2010年から進められていたという。

プロジェクトの概要
投稿者:管理者 投稿日時:2010/11/29(月) 10:00
 大学図書館で利用できる日本語での電子学術書はほとんど増えない一方で、電子ジャーナルや電子学術書の普及で、英語、中国語など外国語の資料は、インターネットで全文を利用できることが当たり前になりつつあります。
 大学図書館で使える日本語の教育用の電子学術書利用促進のために、学術書のデジタル(電子書籍)化の実験プロジェクトを開始します。学術出版社からコンテンツの提供を受け、電子化とシステムを担当する会社の協力を得ながら、実際に学生等が利用(閲覧・貸出)できる、電子学術書プラットホームを作り、利用者からの反応と評価を元に、今後の電子書籍化の方向性を探っていきます。
 利用者は学習や研究等で使っている資料の一部を24 時間、自宅からも利用できるようになります。また、資料が貸出中で利用できないという状況も改善される等、電子書籍ならではのメリットを享受することができます。
 著作権の残っている日本語の学術書を出版社の承諾の元、デジタル(電子書籍)化し、これらを閲覧・貸出できるサービスは、日本の大学では初めての試みです。」

●コンテンツの担当企業として、慶應義塾大学出版会・第一法規玉川大学出版会・東京大学出版会東方書店白水社勉誠出版みすず書房・武蔵野美術大学出版局などの学術書を出版している会社が参加している。大日本印刷・京セラ丸善システムなどの協賛も得て進められている。
●今後、日本語電子学術書プラットホームを立ち上げ、各図書館の検索システムとの連携を進めながら、システムを確立してゆくことになるらしい。
●実験用の書籍には、『日本倫理思想史』佐藤正英、『日本語を考える−移りかわる言葉の機構』山口明穂、『授時暦の道』山田慶児、なども入っている。ますます、電子図書館青空文庫やJ−TEXTSも、リーダーやアイパッドで利用する人が増えるだろう。プロジェクトの進展を願う。

■E−KOLLECTION