労作 『戦国軍記事典』 全2冊

●注文していた『戦国軍記事典 群雄割拠篇』(2012年2月20日、第3刷、和泉書院発行、定価18000円+税)、『戦国軍記事典 天下統一篇』(2011年12月20日、第1刷、和泉書院発行、定価23000円+税)が届いた。「群雄割拠篇」の出たのは気付かなかった。今回、2冊揃って拝見すると、労作とは、こういう書物のことを言うのだと思う。

●編者は、「古典遺産の会」である。この会は、昭和30年に発足した。57年前である。執筆者一覧を見ると、16名のうち、2名の方は御他界、7名の方は現役を引退しておられる。偉大な研究とは、こういう事だと、つくづく思い、この労作に対して、心からの御学恩を謝し奉る。

●この事典に採録されている著作には、『信長公記』『理慶尼の記』『太閤記』『三河物語』『おあむ物語』『大坂物語』『おきく物語』『嶋原記』『武辺咄聞書』など、仮名草子作品も多く含まれている。また、中世から近世初期にかけての軍記であるから、この戦国の歴史を解明する点で、貴重な史料の紹介がなされている。私個人としてみても、1500年代の東北の軍事的動向を知る上で、貴重な指針を与えられて、感謝せずにいられない。

■『戦国軍記事典 群雄割拠篇』

■『戦国軍記事典 天下統一篇』