優れた 編集者

●今日、全70巻という大きな全集の編集者から長文のメールが届いた。この全集は、昭和55年(1980)にスタートして、現在48巻が進行中である。当然のことであるが、シリーズを刊行する時は、凡例を作り、執筆要綱を決めて刊行開始する。しかし、30年間という長期にわたる出版の場合、途中で様々な問題が生じて、条件を変更したり、調整しなければならない事も少なくない。その都度、編集者と著者・編者は検討して、シリーズの完結を目指す。

●T社のSYさんとは、もう長い付き合いであるが、実に誠実であり、実に精緻であり、実に迅速である。今日も、私は、添付ファイルの、氏の提案された、A案、B案を読みながら、思わず笑ってしまった。電話でペラペラ喋った私の意を汲んで、見事に整理し、成文化しておられる、その手際の良さに感激しての“笑い”である。

●編集者をエディターとも言う。editer フランス語であり、ラテン語のedere が語源で、“生み出す”という意味を持つ。書籍や雑誌や新聞などを出版するために従事する職業だけれど、私は、その精神的な側面に、特に惹かれる。

●現在、私は、1冊の本を出す作業を進めている。このI社の編集者が、これまた秀逸。著者以上に本の内容を理解し、わずかなミスも見逃すまいと努力する。それは、その社から出す本に対する愛情であり、自負であり、誇りであろう。著者としては、いくら感謝しても、感謝し足りない位である。著書は、著者と編集者との共同作業の知的産物であろう。